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スタンダード会員限定更新料問題を考える 首都圏 不動産業者の異論反論

住宅新報 2009年11月3日 号 5面

 首都圏の不動産業者は更新料問題をどう考えているのか。特に地域に根差す事業者に裁判の影響や対応策を聞いた。制度の是非から、8月の無効判決への憤慨や不安の声など様々な声が上がった。●オーナーの人権も考えて

 顧客に問われたら「商慣習として従来からある」と言うしかない。今後は定期借家契約に切り替え、賃料をきちんと支払う優良な入居者とだけ再契約する。賃料も高くせざるを得ない。例えば4戸のアパートを経営し、賃料と年金収入で暮らしているオーナーの場合、滞納や更新料返還でもあれば破たんしかねない。オーナーの人権も考えてほしい。裁判は本当に消費者保護につながるのか。(東京都目黒区)●「判決文をしっかり読んで」

 問い合わせがあったら「お客さん、よく判決文を読んでから電話をしてくださいよ」と説明している。ただ、オーナーが弱気で「もういらない」という人も出てきた。(東京都八王子市)●中立の立場で勉強も

 「東京と関西ではシステムが異なる。裁判での判決がそのまま東京の更新料制度に当てはまるわけではない」旨を説明している。東京に関して言えば、現行の制度は借主に特別不利ではないと思う。ただ、中立の立場である我々不動産業者も勉強していく必要がある。(東京都港区)●不動産会社はやっていけない

 今のところ影響は出ていないが、一般の人は裁判事例が特殊だということを知らない場合が多いので不安だ。もし制度がなくなれば、業者はやっていけなくなる。なくなるとしても、更新料分を上乗せする形で賃料を上げることになるのでは。(千葉県市川市)●入居者から嫌み

 更新時、「やっぱり取るんですか」と嫌味のように言われた。「何に使うの?」など聞かれるようになったが、「受け取った後そのまま大家さんに渡すので分からない。修繕などに使うのでは」と答えている。京都の事例は法外な更新料を取っていたが、実態が報道されず迷惑。古い物件の家主の間では、「もらわない方がいいのでは」という声も出始めた。毎月の家賃で何とか成り立つし、更新料を設定して出て行かれる方が苦しいようだ。ただ、新しい物件はすぐに決まるため、更新料の有無で気をもむ必要がない。(東京都板橋区)●問い合わせテナントからも

 テナントから「更新料を取るのはおかしいのでは」と言われたが、裁判事例は特殊なケースなので、一概に当てはめることはできない。ただ今後も裁判沙汰になるような事例が増えれば、なくなる可能性もあると思う。(東京都品川区)●オフィスへの影響心配

 「九州地方には更新料はない。違法ではないのか」と鹿児島県出身の入居者の親が問い合わせるケースがあった。新聞にはきちんと経緯まで書いてほしい。消費者契約法とのかかわりはないが、オフィスの更新料への影響が心配。(東京都目黒区)●更新料きっかけに退去

 払いたくないので、引っ越すという人もいた。オーナーにとって更新料は退去の引き金になるリスクもある。(東京都品川区)●更新料値下げを検討

 質問された時は「(判決が)不当」と答えている。ただ、今後取りにくくなっていくと予想はしている。新規契約では、家主に相談して下げる方向で進めている。(千葉県浦安市)●学生の親からの問い合わせ

 入居の際に7割くらいの人は聞く。学生の親御さんなどは特に多い。(横浜市港北区)●若者は更新料よりも初期費用低減に

 退去されると困るので、更新料はいらないというオーナーもいる。入居者も長く住むのでなくしてほしいと交渉するケースもある。若い人は、2年後に住んでいるか分からないから、更新料まで頭がいかず、初期費用の低減に目がいくようだ。法律で決まっていると誤解している人もいる。(東京都世田谷区)●礼金交渉が先

 社会的な反響がまだそれほど大きくないので、気にしていない。質問はたまに寄せられるが、京都は特殊な事例だということを説明して納得してもらっている。それより、初期費用を抑えたい人が多いので、礼金交渉が先のようだ。(東京都文京区)●管理中心の会社は打撃

 入居者から質問されることはある。ただ、京都の例は特殊だと思う。更新料は本来、なくてもいいものだと思うが、慣習としてオーナー側の意識に根付いているから(なくすのは)難しいのでは。今後廃止の方向に進んでいくと思うが、更新の占めるウエイトが大きい管理中心の不動産会社からは、反発が寄せられるだろう。(東京都港区)●入居費軽減を望む声が多い

 京都は特殊なケース。今のところ、問い合わせやクレームもほとんどない。それよりも入居費用の軽減を望むユーザーが多い。(東京都品川区)●クレーム処理費用として家主から徴収も

 多くは入居費用を抑えることを重視し、2年先の更新について質問を受けるのはごくわずかだ。今後制度がなくなるとしても、クレーム処理費用として更新の時に家主から賃料の半月分をもらうことも考えている。(東京都港区)●なくてもよい

 京都裁判事例は特殊なケースだと思う。今のところ特に問い合わせなどはない。個人的には、礼金と同様、更新料もなくなっていく方向でよいのではと思う。いずれにしても少なくなっていくだろう。(千葉県浦安市)●制度撤廃とはならない

 京都は特殊な事例なので、特に気にしていない。制度撤廃とまではいかないだろう。(千葉県市川市)●家賃を払ってくれればいい

 制度廃止の危機感はあるが、とりあえず家賃を毎月払ってくれればいいわけだから、なくなっても仕方ないという気もする。(東京都品川区)●京都は特異な事例「ふざけるな」と言いたい

 8月の大阪高裁の事業者には「ふざけるな」というのが率直な気持ち。あまりに特殊な事例だ。問い合わせがあればその点を説明したうえで、家主が設備修繕費やローン返済に充てるための必要経費だということを理解してもらう。今は様子見だが、制度の今後を危惧している。更新料について、全国一律で制度化してほしい。なくなるとすれば、共益費や賃料に上乗せする形になるのでは。業者同士でも対応を話し合っている。一般ユーザーが結託することが怖い。(東京都江戸川区)●全国一律化すべき

 問題なのは、地域によって制度の中身が異なること。一般ユーザーが転勤などで移り住む時に混乱する。消費者契約法ができたのだから、制度維持にしろ撤廃にしろ、全国で一律化すべき。(東京都品川区)●賃料が上がるだけ

 来店客から問い合わせを受けたが、「今のところ取っていない物件はないので」と説明した。制度をなくしても賃料が上がるだけだと思う。(東京都品川区)●将来的に不安だ

 制度の行方がどうなるか分からない。周りの業者や最高裁の判決を注視していく。家主が疲弊すれば不動産業者も同じ道をたどる。将来的に不安だ。(東京都板橋区)●団体が声明を

 弁護士会などの団体に、無効判決の事例は特殊だという点を説明する声明を出してほしい。(東京都板橋区)●借主優位に進む

 地方によって差があり過ぎる。ただ、物件が供給過剰であるのは確実で、ますます借り手優位の方向に進むだろう。家主には、「更新料がなくなっても仕方ない」と考えている人もいる。一時的な修繕などに使うわけだし、正直なくなっても何とかやっていけるだろう。(東京都板橋区)●マスコミが騒ぐほどユーザー意識高くない

 関西とは慣習が違うから、当てはまらない。質問は今のところないが、逆にこちらから事例を出し説明している。更新料、礼金はなくなっていくと予想しているが、急に廃止とはならないだろう。マスコミが騒いでいるほど、一般ユーザーは問題意識を持っていると思えない。(東京都新宿区)●契約時にしっかり説明

 契約時に強調して説明する必要がありそう。制度自体は今後なくなる可能性があると思う。(東京都港区)●1年更新で2カ月分は取り過ぎ

 京都の裁判事例が特殊なケースだと説明すると納得してもらえる。家主の中には「(更新料の)性質も不明瞭だし、いらない」という人もいる。将来的にはなくなると思う。(東京都文京区)●裁判に受けて立つ

 8月の大阪高裁判決の特異性を説明し「裁判するならしてみなさい」と伝えることにしている。(横浜市磯子区)

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