『カリスマ大家』鈴木ゆり子さんに聞く 更新料問題を考える オーナーの対応は
住宅新報 2009年11月3日 号 4面
「専業主婦が年収1億のカリスマ大家さんに変わる方法」(ダイヤモンド社)などの著書がある鈴木ゆり子さん。オーナーである鈴木さんが代表を務める不動産会社スズヨシ(埼玉県羽生市)では、更新料を基本的に設定していない。長く住んでもらうことに重点を置くためだ。2年目の更新時に、更に2年間の居住を前提として更新料をなしとする特約を定めている。
期間満了前に退去する場合は違約金を受け取るが、クレームはほとんどないと言う。鈴木さんによると、「特約についてきちんと説明し、納得したうえで選んでもらうこと」がポイントだ。
そこで更新料制度に関しても、入居者による選択方式を提案する。例えば、更新料ありの場合は賃料を低めに、反対になしの場合は更新料分を賃料に上乗せするといった具合だ。「入居時と毎月の費用負担のどちらを軽減したいかは入居者それぞれだが、現状では選択の余地がない。自分で選択できれば、後のトラブルに発展しにくいのでは」と話した。
ただ、制度の性格や目的について疑問も投げかける。設備機器の交換や新設を挙げる意見もあるが、「機能性に優れた設備を備えるより、費用負担を減らしてほしいと望む入居者も多いはず」。入居者ニーズとのズレが生じている現状を見直し、制度の在り方を再考する時期との考えを示した。
また、「結局は人間同士の問題。家主と入居者とのコミュニケーションが、普段から取れているかどうかだと思う」と、更新料問題に限らないトラブルの本質を指摘。鈴木さんは管理物件をこまめに回り、集金や敷地内の草取りといった清掃をこなすため、入居者と顔を合わせる機会も多い。あいさつやちょっとした立ち話をする際、「最近、調子はどう?」「何か困ったことはないですか?」などの言葉を掛け、入居者が気軽に相談できる雰囲気作りを心掛けている。対面でのやり取りを大切にする、『大家さん』ならではの意見で締めくくった。更新料の起源は?
更新料を受け取る慣習はいつごろ始まったのか。横浜市の不動産業者、吉浜満氏に聞くと、更新料は定かではないが、「30年程前は入居者から3000円程度の更新事務手数料を取っていたと記憶している」と話す。その前後に当たる77年年4月に「建物の契約更新時の労務報酬」にかかる規程が業界団体から示され、今も額に入れて掲げている。
市内の別の業者は「東京の慣例として40年程前に伝わってきた。賃料が上がる過程で、既存と新規入居者の賃料に乖離が生まれ、その差を埋めるため」と解説する。そのほか、「礼金と同様、戦後の住宅難の頃に謝礼として始まった」「戦時中、地代家賃統制令下のため家賃が上げられなかったことから、賃料以外の名目で金銭を要求する手段として発祥した」など、諸説が聞かれたが、いずれも確証はないようだ。













