「入居者目線で議論を」 業界健全化を目指す 賃貸保証機構・宮地正剛代表理事に聞く
住宅新報 2009年11月17日 号 5面
--新団体設立の背景は。
「従来、保証会社は、保証範囲を広げたり、価格を下げたりすることで、管理会社にメリットをもたらしてきた。その揚げ句、競争が激化し、収益性が低下している。滞納情報のデータベース化に象徴される『入口』と、追い出し行為に見られる『出口』の両方を閉めようとする動きが現れているのも、自然な流れと言える。このままでは業界の発展性はない。そもそも保証会社の収入は、入居者である契約者から得られる。やはり入居者目線で考えたサービスを提案・提供していかなければならない」
「もちろん、現状は、管理会社や仲介会社を通じて契約しており、軸足を業者側に置きながらも、入居者にも同じ比重で置き、バランスを取る必要がある」
--設立準備はいつ頃から進めていたのですか。
「DB化の動きが出始めた9月ごろ。DB化を進める団体からすれば、敵対勢力とみなされるだろうが、DB化をつぶす意図はない。当団体の設立は、業界をもっと大きい視点でとらえたうえで議論し、健全化につなげていこうというメッセージでもある。同じ業界内に、考え方や目的が異なる団体があった方がバランスがとれていい側面もある。健全な競争の中から、消費者にとって有効なサービスが生まれると思う」
--滞納情報のDB化は業界が従来から切望してきました。
「もちろん理解している。ただ、弱者救済の受け皿となるセーフティーネットの創設や運用手法を固めてから動くべきだ。順序が違う。『弱者救済は国の仕事だ』では、あまりにも乱暴。官民で役割分担を明確にしたうえで、救済策を考えるべきだ」
「そもそも今回の動きは悪質滞納者を排除する『ブラックリスト』を目指してきたわけで、マスコミのバッシングを受けて、慌てて『借りやすくする仕組みだ』と趣旨を変えている。このようにいい加減な考え方では契約者の理解は得られず、長続きするとは思えない。タダでさえ負のイメージで見られている保証業界にあって、拙速と言える」
「よく比較される金融業のデータベースはそもそも消費者保護のために始まっている。多重債務を防ぐことなどが狙いだ。しかし、今回のDB化は完全に業界寄りで、自己防衛のためにすぎない。反対運動が過熱する要因の1つでもある」
--レントゴー保証グループで約100万件のDBがあるとのことですが。
「事業会社として自らがノウハウを蓄積して運用することはあっていい。自社の営業努力で広げていくことと、業界全体で共有することは話が別だ。自社で蓄積した場合は、滞納の経緯も分かり、個別に対応もできる。また、当社の場合、悪質滞納はごくわずか。契約者の1%にも満たない。DB共有のメリットは多くない」
--将来的にもDB共有には反対ですか。
「賛同する可能性はある。ただ、運用とセーフティーネットの構築は、民間だけではできないと思っている。行政との連携が必要になってくるだろう。DBの運用・管理は、第三者機関や公的機関などが実施し、業界と切り離すべきだ」
(聞き手・佐藤
幹彦)













