マンション 建替え促進で需要把握へ 法務省・国交省 区分所有法のあり方検討 決議要件緩和に賛否
住宅新報 2009年10月6日 号 2面
国土交通省は9月28日、分譲マンションの建て替えなどの検討状況について、管理組合などを対象に行ったヒアリングの結果を公表した。同ヒアリングは08年3月に閣議決定した「規制改革推進のための3カ年計画(改定)」を受けて実施した「分譲マンションの建て替え等の検討状況に関するアンケート調査」(08年11月公表)に基づき、08年度内に行ったもの。老朽化など建て替えの促進が求められるマンションの実態や、5分の4の決議要件緩和による建て替え促進への効果に対する考えなどを聴取している。「規制改革推進のための3カ年計画」は、同アンケート実施後の09年3月に再改定版が閣議決定されており、区分所有法がマンション建て替えニーズに応えているか否か、また建て替えに関する手続きをより合理化できる余地がないかなど更なる検討を求めている。これを踏まえ、区分所有法を所管する法務省と住宅行政を扱う国交省は連携して、09年度内に建て替えに関する更なる調査、検討を進めていく方針だ。
国土交通省の調査によると、建て替え事業の完了事例は09年4月1日時点で137件。実施準備中(12件)、実施中(23件)を含めると172件だ。これに対して、09年3月にまとめられた、マンション政策のあり方についての答申では、「老朽マンションストック全体の一部にとどまっている」と進捗が芳しくない状況を指摘している。
こうした状況を踏まえ、08年3月に閣議決定された規制改革推進のための3カ年計画(改定)では、老朽化などしたマンションの建て替え促進を図るべく、区分所有法に基づく建て替え決議のあり方の調査・検討を法務省、国交省に求めた。
3カ年計画(改定)を受けて実施し、08年11月に公表した建て替え決議に係るアンケートでは、いわゆる5分の4の議決権割合要件について、管理組合は37%、管理会社は23%、事業関連者は31%が「引き下げが必要」と回答。一方、「見直し不要」との回答も管理組合の43%、管理会社の73%、事業関連者の66%で見られた。アンケート調査に基づいて行ったヒアリングでも「あくまでも全員合意を目標に行わないと事業が進まないと思われるため、要件緩和は必要ないと考える」(竹中工務店)、「建て替え決議が成立した事案での経験を踏まえると、5分の4の賛成を得られないと現実的に事業の推進は難しい」(事業関連者A)など、たとえ要件を引き下げ決議が得られても、その後の計画策定の難しさを指摘する声が目立った。
また、団地の建替え決議の棟ごとの要件について、管理組合は48%が、事業関連者は50%が撤廃すべきと答えている。これらについて、ヒアリングでは、「団地において、建物ごとの3分の2要件が大変複雑、単純明快にしないと立ち上がりの部分でつまずいてしまう」(リベロ都市開発)、「議決権割合の大きい区分所有者がいる場合には人数要件を緩和するなど対応があってもいいのでは」(管理会社)などの意見が見られた。
そのほか、「費用負担が一番問題」(管理組合A)、「行政が建て替え促進の活動を支援することや仮居住の確保などが必要」(管理組合B)といった区分所有法に係らない意見も多数、挙がっている。
この様に現状は、区分所有法の見直しに対して賛成や反対の意見、また、建て替えへの支援の必要性など様々な意見が交錯している。
こうしたことから、アンケート・ヒアリング調査後の09年3月に閣議決定された規制改革推進のための3カ年計画(再改定)では、調査結果を踏まえ、「マンション建て替えの現場で指摘されている、改善すべき課題に関して、法務省は、国土交通省と連携の下、関係者のニーズについて総合的に調査を行い、現行の区分所有法がニーズにこたえているかなど検討を進める」と要求。これについて、国交省も「住宅政策を扱う省として、法務省と密接に連携し、09年度内に調査を進める方針だ」としている。













