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スタンダード会員限定大言小語 五輪と再出発

住宅新報 2009年10月6日 号 1面

 2016年の夏季五輪の開催地がブラジルのリオデジャネイロに決まり、東京は落選した。「コンパクトでエコな計画だ」という評価はあったが、当初から世論調査での五輪誘致の支持率の低さがネックになっており、特に石原慎太郎都知事の、新銀行東京の失敗などを隠すためのパフォーマンスだという疑念を払拭(ふっしょく)できなかったことが敗因の1つに挙げられるだろう。政敵であった鳩山総理の招致演説も空振りに終わった。

 ▼なぜ五輪招致委員会の支持が得られなかったのか。南米初の開催など、他の都市には「売り」があったが、東京にはインパクトのある「売り」がなかったからだ。ではなぜ、国民の支持も得られなかったのか。「折からの不況により、『夢』よりも『現実』を選んだ」「五輪が2度目となる東京より他の都市を」という声。しかし何より「なぜ今五輪なのか」という素朴な疑問に、真正面から明快な答えを返せなかったということだろう。

 ▼旗振り役だった都知事には、民主党都議団との議会での再対決が待つ。また、「五輪誘致で景気回復を」という不動産業界をはじめとする経済界には、既に円高・株安と打撃が襲っている。根拠のない幸福感(ユーフォリア)は終わった。様々な困難が我々を待ち受けているようだが、幸い、東京の空は今日も青く、タワーは変わらず、雲を従えそびえている。再出発にはふさわしい。

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