スズケン&CO 戸建て賃貸ネットが好調 鈴江崇文社長に聞く
住宅新報 2009年10月27日 号 5面
戸建て賃貸事業などを手掛けるスズケン&コミュニケーション(徳島市)が展開する建設業者のネットワーク「DANネットワーク」の初年度受注が500棟になった。コンパクトハウス事業も好調で、10年度はネットワーク全体で、戸建て賃貸とコンパクトハウス合わせて2000棟の受注目標を掲げている。このほど、第1回全国大会を長野県内で開くなど、勢いが増している同ネットワーク。鈴江崇文社長に戦略を聞いた。(聞き手・佐藤
幹彦)
--戸建て賃貸事業が好調です。
「デザインや価格にフォーカスして、モノを売ろうとするのではなく、集客や見込顧客へのアプローチ手法を重視し、コンサルティング営業にシフトしていることが好調要因だ」
--具体的な手法は。
「例えば、注文住宅の顧客は『建てたい』という希望があり、顧客は能動的にデザインや仕様などを見に来る。一方、賃貸は、建てたいと考えている人はほとんどいない。商品がよくても見向きもされない。『建てたい』と気付かせることが重要だ。この部分を完全に仕組み化した」
「また、集合住宅の営業ができても、戸建て賃貸でうまくいくとは限らない。建築目的が違うからだ。集合は相続税対策、戸建て賃貸は資産形成が主な目的で、相続税対策の発想で戸建て賃貸を提案してもニーズとマッチしない。このズレが大きい。頭の切り替えが必要だ」
--従来集合住宅を建築していた層に対応したコンサル提案商品『資金くみかえ君』を開発しました。
「集合住宅建築は投資額が大きく、返済期間も長い。リスクが非常に大きい。一方、戸建て賃貸はリスクを低減できる。しかし、それでも出てくるのが、『やっぱり借金したくない』という声だ。保守的な国民性だから仕方がない面もあるが、この顧客心理をうまくとらえたのが『資産くみかえ君』だ」
--どういう商品ですか。
「遊休地を稼ぐ土地に変えることがコンセプト。例えば、従来は集合住宅を建築していた敷地について、半分を売却し、その売却金で、残った土地に戸建て賃貸またはコンパクト住宅を建てる。土地は減るが借金はない。加えて家賃収入が生まれるわけだ」
--戸建て賃貸の建築費は。
「17坪タイプは約620万円-。22坪タイプが700万円-」
--限界までコスト削減した結果ですか。
「いや、いままでの単価が高過ぎたのだと思う。規格化及びシステム化すれば、まだ下がる。実際、今後建築費を下げることも検討し、商品のグレードを上げながら顧客に還元しようと考えている」
--加盟店でも可能ですか。
「入会したばかりの加盟店は難しいというが、ほとんどの場合、1棟目の建築が終わる頃には標準工事費でできるようになる。会員でコストダウン研修を実施し、合理化を進めており、コスト面は心配していない」
--根拠は。
「コストは材工に大別されるが、材料は情報もあふれ、それほど差はつかない。要は工事費だ。職人教育などを行っていく必要がある。戸建て賃貸事業を始めた当初は職人から難しいと言われたこともあったが、職人もコツを覚えると合理化できてくる」
--戸建て賃貸の受注目標は。
「当面の目標は民間賃貸住宅戸数の1%だ。また、民間賃貸住宅は今後もなくならないわけで、戸建て賃貸の進化版も出てくると思う。例えば、高齢者型、外国人型、女性型など、市場の欲求に合わせて開発していきたい」
--コンパクト住宅の展開は。
「世の中を見てもコンパクト住宅の流れは加速する。団塊ジュニア世代はそもそも大きい家は要らないと言っている。団塊の世代が大きな家を建てても、例えば家族4人で住むのはせいぜい7、8年で、子どもは独立して子ども部屋は倉庫になっている。24坪程度でも十分という声も聞かれる。電気代も掃除の手間もかからないし、重いローンを組まないでも済む」
--従来から地域貢献を社の理念としてきました。
「持家を提供することで地元を活性化させたい。人口流出の歯止めにもなるし、そもそも家を持ちたい人に提供することで本当に喜んでもらっている。やりがいがある仕事だ」













