大言小語 居酒屋の社会的責任
住宅新報 2009年10月20日 号 1面
CSR(企業の社会的責任)が強く問われる時代になった。最近の居酒屋産業を見るにつけても痛切に感じる。会話する声さえ聞きとれない工事現場のように騒がしい店があるかと思えば、やたらに客を特定の席に誘導したがる店も跡を絶たない(客は店の経営効率を良くするために飲みに行くのではない)。静かに飲みたいのに活気の良さを演出したいのか、注文を取るたびに店員がここぞとばかり声を張り上げる店が多いのにも閉口する。改めて問いたい。居酒屋の社会的責任とは何かを。
▼東京・目黒は準都心だが、常連客だけで占められてしまいそうな小さな居酒屋が多い。ぶらりと暖簾をくぐると顔見知りの客が居る。つかず離れずの席に座って世間話を交わすのも居酒屋に行く楽しみの一つだ。知人に教えられて行ったその店も常連さんが4人、カウンターに腰かけ釣りの話をしていた。日本酒の一升瓶が何本もうしろの棚に置いてあり、客は勝手に自分がキープしてある酒を取って飲んでいる。店主と客との間にある目に見えない交流がなんとも言えない風情だ。













