江古田の杜プロジェクト 日本版CCRCのモデルとして 今秋、東京・中野区でまちびらき
住宅新報 2018年1月9日 号 19面
中野区は全国の中で豊島区に次いで人口密度が高く、住宅地として開発が進んだエリアだ。同区北東部に位置する江古田三丁目地区は東京都指定の広域避難場所である江古田の森公園一帯を含む。都市計画マスタープランでは、同地区を江古田の森公園を中心に江古田川の水と豊かな緑を生かしたまちづくりを誘導する地域と位置付ける。都市住宅マスタープランでは「多世代が暮らせるまち」を基本目標の一つとして掲げている。
06年7月の都市再生プロジェクト第11次決定「国家公務員宿舎の移転・再配置を通じた都市再生の推進」で、同地区にあった国家公務員宿舎の廃止が決定。08年3月にUR機構が江東区東雲地区の土地と交換し、宿舎跡地(約4.4ヘクタール)を取得。「江古田の杜プロジェクト」が開始された。
4つのテーマを設定
中野区の要望を踏まえ、UR機構はまちづくりガイドラインを策定した。コンセプトに「多世代により育まれる持続可能な地域」を設定し、具現化のために▽緑(緑の保全・拡充)▽防災(防災機能の強化)▽多世代・子育て(良質なファミリー向け住宅を含む多彩な住宅の供給)▽健康・スポーツ」(救急医療、小児初期診療、病児・病後児保育などの医療施設導入)――の4つのテーマを設けた。公募により、コンセプト・テーマに合致した積水ハウスと総合東京病院がプロジェクトに参画。15年3月には3者で江古田三丁目地区まちづくり協議会を設立した。
開発は3つの区域に分けられる。A街区(敷地面積1万7740m2)は分譲マンション、B街区は(同6000m2)で総合東京病院B棟、C街区(同1万5790m2)は子育て世帯向け・学生向け・医療従事者向けマンション、サービス付き高齢者向け住宅、介護付き有料老人ホーム。
17年4月には総合東京病院B棟が開設。中野区北部の中核的急性期医療機関、一般病棟と回復期リハビリ病棟を兼ね備えた医療機関として地域に貢献する方針を掲げる。A街区は3月から、C街区は10月から入居を開始する計画だ。
積水ハウスは安心・安全への配慮として、化学物質を抑制する空気環境配慮仕様「エアキス」を全住戸に採用。森の保全・拡充、家庭用燃料電池と太陽エネルギーの利用、災害時でも供給可能な中圧ガス、街区全体のエネルギー管理システムの採用など環境・防災への配慮に工夫を凝らした。
「コドモイドコロのある街」
同社はコンセプトに「コドモイドコロのある街」を設定。子どもたちの成長を軸にサスティナブルな社会の形成を展望する。C街区に多世代・地域交流の拠点である「リブインラボ」を設置。同拠点は積水ハウスグループの積和不動産が運営・管理を担当する。
リブインラボはコミュニティ、防災、情報の拠点。入居者が利用する食堂、入居者以外も利用できるレストランに加え、コンビニエンスストア、絵本ライブラリー、キッズルーム、多目的ルームなどを設置。子どもたちが楽しめるイベントには中野区のNPO法人ZEROキッズが協力。食堂・レストランには、東京・青山のレストラン「Casita(カシータ)」グループを運営するサニーテーブルが参画。ラボの家具・インテリアのために、大塚家具の参画も決定した。
同プロジェクトを日本版CCRC(Continuing Care Retirement Community)のモデルとして位置付け、多世代が交流して循環するまちづくりを進めていく。

















