納得のマンション購入! -あるシングル女性の奮闘記-
住宅新報 2009年9月29日 号 16面
東京・白金--。都内でも屈指の高級住宅街であるこの地に、山下智美さん(仮名・35)はマンションを購入した。
地下鉄南北線・都営三田線白金高輪駅を最寄りとする2LDKの中古マンション。今から3年半ほど前の06年3月に契約した。「間取り的には完全に納得できるものではありませんでしたが、住環境を含めた立地は満点。快適的な生活を楽しんでいます」と微笑む。狭さに不満が募る
その契約からさかのぼること半年前--。「やっぱり嫌だ」という思いが日に日に強くなっていた。原因は住宅の狭さだ。「『職場から近く、家賃10万円程度』の条件で探したら、麻布十番駅(白金高輪駅と1駅違い)を最寄りとする希望の賃貸マンションが見つかりました。決して通勤できないわけではない実家から出てくるからには、通勤利便性を重視しました」
通勤時間は電車で15分程度の近さ。終電で帰る日も珍しくないハードな仕事をこなしていたため、「まっ、家には寝に帰るくらいだし」と、20平米という広さについてはあまり深く考えていなかった。
ところが、入居して数カ月あまり。「寛ぐスペースがない。何故、座る場所がベッドなの?」。これでは、疲れ切った心も体もなかなか癒やされない。「倍の広さがほしい。でも家賃が倍以上に跳ね上がる。それなら購入も1つの選択肢」。山下さんの決意が固まった瞬間だった。
新築・中古を問わず、興味のある物件は時間の許す限り見て回った。「当時(05-06年)は、迷っていたらすぐ他の人に決まるような時期。けれども、私も希望はいろいろあったので、なかなか決められませんでした」
途中、物件を見すぎたこともあり、「イヤになった」時期も。絶対に買わなければならないモノでもなければ、焦って今買わなくてもいい。後ろ向きな理由が頭の中を駆け巡る。「倦怠期とでも言うのでしょうか(笑)」。そんな時でも、営業担当者が、こまめにそっと物件情報をポストに入れてくれていたことで、何とか『糸』は切れずにいた。更に、「昔と違って、独身OLの私が都心にマンションを買えるような良い時代。今後、価格やローン金利が上がったら気軽に買おうとは言えなくなるかも」といった思いも。改めて自分の心を奮い立たせ、物件探しを再開した。
「得をしたいからマンションを購入するわけではない。快適に暮らすために探す。時期によっての価格変動や、もう少し待った方が得なのではないかなど思わないようにすることにしました」と山下さん。それからというもの、物件探しにスパートがかかった。
しかし、条件通りの中古物件があったが、申し込み順2番手に甘んじてしまった。また、少し悩んだ後で「さあ申し込もう」と思った物件もタッチの差で先を越された。「あぁ、悩まなければ……」
それでも、仕事の疲れを押して物件を見て回る日々。そして、購入の意思を固めてから半年後--。白金高輪の物件に出合った。
「駅を降りて街を歩いていると、ここに住んでいる自分が何となく想像できたのです。『住みたい気持ち』にしてくれる街でした」
物件自体はというと、希望していたキッチンの形状やオールフローリングではなかったため、「100点ではなかった」というが、「これまで買おうとして逃した体験があったので、決断する力がついていました」。白金高輪駅徒歩4分の場所に建つ、築8年(当時)・広さ52平米弱(2LDK)。3600万円のマンションの主となった。必要なのは「度胸」
マンション購入を振り返って、「(牛丼の)吉野家に1人で入れる度胸のある女性なら、マンションを買える(素質がある)」と笑う。物件を見て回るのはもちろん、ローンを組むのも自分。すべては自分の責任で一歩一歩前に進んでいかなければならない。途中で迷っても、結局決めるのは自分。「度胸が必要」という山下さんの持論だ。
マンションを購入して4年目に入った。「そろそろリフォームして、気分を一新させたい」と考えている。また、このほど管理組合の大規模修繕委員にも選ばれた。「何事も経験」と前向きだ。
仕事に懸命に励み、自分の生活を充実させ、そして恋も積極的。山下さんのような魅力的な女性が、確実に増えている。













