キラリ☆わが社の星(17) 東建コーポレーション 矢引貴洋さん
住宅新報 2009年9月29日 号 13面
厳しい中でも受注増
名古屋に本社がある東建コーポレーション。これまで西日本エリアでは知名度が高かった賃貸住宅関連企業だが、近年、首都圏での営業活動を積極化させている。今回ご登場いただく川口支店長(次席課長)の矢引貴洋さんは、その首都圏における拡大を牽引する一人だ。「名実と共に『東に建つ』東建となるように、社内勢力図を塗り替えるべく受注活動に努力しています」という。
住宅市場全体の市場環境が厳しい状況にあるなか、アパート市場も例外ではない。矢引さん率いる川口支店も厳しい状況にあると思いきや、前年の水準に対して「微増」だという。「支店の営業エリア(埼玉県川口市周辺)は、土地オーナーからの良質な賃貸物件の要請や税務対策上の要請が根強く、伸びしろがありますから」と語るが、実はそれだけではないようだ。独自に勉強会開催
矢引さんが支店長に就任したのは今年1月。リーマンショックなど金融危機が本格化した時期だ。そうした中で受注活動で健闘しているのには、矢引さん自身の経歴が無縁でない。金融機関からの転職組なのだ。支店長として、毎週水曜日に融資業務などファイナンシャルプランナー的な要素を主に学ぶ勉強会を、支店独自に行っているという。
「モデルケースを作って具体的にどのような提案を行えばよいのか、実践的な訓練をしています。また、実際に受注に成功した営業マンを講師にして、どのように転がって受注が獲得できたのかを検証したりもしています」。土地オーナーがアパート経営を始めるにあたっての動機はやはりお金。オーナーそれぞれのライフサイクルなどを考慮して、様々な問題点を解決するのがアパート受注のカギとなる。「具体性」重要に
「オーナーが気付いていない問題を見つけ、気付かせてあげるのが重要なのです。保険や株式、不動産の仕事は『千三つ事業』(千のうち三つ当たればいいという意味)といわれますが、この仕事は漫然としているだけでは1万件に1件も当たりません。しかし、具体的な提案を行えば、契約はできないとしても少ない中から当たりが期待できます。私は交通事故的なものは求めませんから」
厳しい環境にあっても受注で健闘しているのには、金融機関を経てきたこのような矢引さんらしい取り組みがあるのだ。こんな話を紹介すると、矢引さんは業界に良くいる強気一辺倒の人のようだが、実際の雰囲気はまったく違い、穏やかで気配りの利く人。「トイレ掃除をして紙が足りているのか気にするような心配性」とのことだ。
体育会系といわれるこの業界には珍しい人物。「支店にはほかに心配症な人がいませんから」と、大きな体を少しかがめて恥ずかしそうに笑う矢引さんの姿が印象的だ。
(住生活ジャーナリスト・田中
直輝)













