女性パワーで売上UP 田原祐子(8)
住宅新報 2009年9月22日 号 8面
「女性企画」の商品を男性が売るには--
徹底的に『翻訳研修』を
女性視点を商品企画に生かそうと、女性の著名なインテリア・住宅関連のコーディネーターとコラボレーションしたり、あるいは、社内の女性スタッフを募ってプロジェクトを立ち上げ、素晴らしい住宅やマンションが完成した……。「これで、やっと我が社も売れる商品ができた!」と喜んだのも、つかの間。せっかく女性に好まれる商品を作ったにもかかわらず、現実には、その商品が『売れない……』という厳しい事態に直面することは、実はよくあるものです。『ニュアンス』の把握も重要に
その理由は、「女性視点」でこだわったポイントを、男性の営業マンがうまく伝えられないためです。もちろん、通常の新商品と同様に、社内で説明会などを開催し、営業トークをひと通りマスターし、営業ツールを作成し、万全の準備体制は整えられています。しかし、女性特有のこだわりや視点の細かさ、独特のニュアンスは、なかなか男性には理解できません。
事実、ある会社の社内女性プロジェクトで企画したマンションでは、男性の営業マンが、「僕たちが、このマンションのモデルルームをご案内しても、女性スタッフとは説明が微妙に違うらしいのですよ……」と嘆いていました。
不動産・住宅業界では圧倒的に男性が多いため、この手の悩みは、結構よくある、しかも深刻な問題なのです。
このような場合には、男性社員の方々に対する、女性客向けのセールストーク『翻訳研修』を徹底的に行わなくてはなりません。また、企画した当事者には、状況を俯瞰して、「外部から見た」その企業や企画の強み(USP=unique
selling
proposition)が訴求できていないこともあります。戦略として組み込む
しかし、根本的な問題は、そもそもプロジェクト自体が、その時に降って湧いた一過性の企画ではなく、その企業の中・長期の販売戦略の中に、スタッフなど人材育成も含めた形で、きちんと組み込まれているか。また、プロジェクトの前と後のフロー(流れ)が、あらかじめしっかりと考えられており、販売の最前線の状況に適したすり合わせができているか……といったことが問題なのです。単に、「女性視点で企画すれば、売れるだろう」などという甘い予測のもとでスタートしても、決して成功することはできません。また、「企画・商品」主体ではなく、あくまでも「営業・販売」に重きを置いて、プロジェクトを立ち上げなくてはならないのです。
次号では、センス・情報量ともに高度化している「女性客」への提案について、お話しします。
(たはら・ゆうこ=ベーシック代表取締役)













