大言小語 コミュニティと「交流量」
住宅新報 2009年9月15日 号 1面
お隣同士が協力しあって野菜づくりを楽しむ畑付きアパートが人気を集めるなど、集合住宅はコミュニティが大きなテーマとなってきた。考えてみれば生活の拠点である住まいにとって、人とのふれあいが大切であることは至極当然ともいえる。「住まいとはなにか」の議論がこれまで、あまりにもなされてこなかっただけのことなのか。
▼とはいえ、コミュニケーションは住まいにとって万能ではない。少子高齢化を背景に親世帯と子世帯の立地に関心が寄せられているが、「同居は嫌で隣居または近居を望む」傾向が強まっていることにもそれはうかがえる。三井のリフォーム住生活研究所が発表したレポート「近居・隣居でつくる独立親子の絆」(11面参照)はこう分析する。「別居は同居よりも付き合いの密度は薄くなるが、容易に行き来ができれば交流量はコントロールできる。つまりコントロール可能な距離の確保が、各世代が望む暮らし方につながっている」。
▼交流をどうコントロールするかが大切なのは住まいだけではない。住まいと同様に、「快適な居場所」であるべき居酒屋もそうである。店の主人と客、客とカウンターを挟む板前、隣合わせた客同士などそれぞれの交流量をどう設計するかが、店の盛衰を決める時代だ。しかし現実は「そんなこと考えたこともない」だろうと思える店が『サラリーマンの街』にはまだまだ多い。













