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スタンダード会員限定「ミディアムステイ」のススメ 乗馬や釣りが楽しめる浦河町 北海道 団塊世代の「地方移住」に着目

住宅新報 2009年9月8日 号 7面

 少子高齢化が進む中で、団塊世代の去就が注目されている。全国的に過疎化対策の一環として団塊世代の取り込みを図る市町村は多く、日本版クラインガルテンも誕生している。北海道でも札幌近郊の町では農業を楽しみながら永住できるよう敷地規模約600平米程度の分譲地がある。このほか過疎対策として一定期間居住することを条件に土地を無償提供するなど、道内各市町村でもいろいろと知恵を絞っている。徐々に慣れてもらう

 いずれも永住を期待しているが、都会にいる団塊世代から見れば北海道の厳しい自然環境や病院がない、十分な公共交通機関がない、商業施設・娯楽施設がない--といった社会環境を考慮すると、「いきなりの永住」は厳しい。過疎町村からの都会に居る「団塊世代への熱いラブコール」にもかかわらず、永住希望者は増えていないのが実情だ。まずショートステイから始めて、ミディアムステイ、そしてロングステイ、永住へと、田舎暮らしに徐々に慣れていくしかないだろう。農業だけでは限界

 ところで、農業だけで田舎暮らしを始めるのは容易なことではない。農業知識もそうだが、意外と思われるのは体力が追い付かないことだ。家庭菜園でも10坪が関の山で、これ以上だと機械装備が必要となって、片手間ではやっていけない。そのため、農業だけではない多様な趣味に対応できる田舎暮らしの提供が必要になる。その一例として、北海道日高支庁管内浦河町の取り組みを紹介する。

 浦河町は、えりも岬に近いサラブレッドの生産で有名な馬産地である。人口約1万5000人のこの町には、JRAの牧場があるほか、馬に関連する施設が充実している。その1つが「うらかわ優駿ビレッジAERU」だ。敷地面積は約107ヘクタールとゴルフ場並みの広さを誇り、その中にホテル・パークゴルフ場・乗馬施設がある。初心者から上級者までが楽しめるが、特に自然の地形と景観を生かしたホーストレッキングコースは、中・上級者もきっと満足できるのではないか。「ちょっと暮らし」

 また、日高山脈の麓にあって太平洋に面しているため、魚釣りの穴場にも事欠かない。浦河町の気候は海洋性で、夏涼しく冬は温暖で、別荘適地でもある。まずは避暑を兼ねて4月から10月までのミディアムステイをお勧めしたい。同町では移住対策の一環として「ちょっと暮らし」を実施している。乗馬や魚釣りの趣味を持っている人はこの制度を利用してはどうか。

 この制度は空き教職員住宅を転用・利用したもので、2LDK-3LDK(約45-80平米前後)で家賃は月額1万2000円-2万4000円、1日400円-800円という勘定になる。

 こうした制度は道内59市町村が実施しているが、滞在日数は浦河町が全道一となっている。

 浦河町役場の資料によると、二地域居住者は2件・4人(07年)。移住者は05年度から08年度までで25件47人。生活体験参加者は06年から08年までに37件78人で、1人平均2.5カ月間滞在したという。競合しない提案を

 浦河町にミディアムステイした埼玉県のKEIKOさんは、「感動!移住体験『デジタル絵日記』北海道で暮らしてみよう-夏の日高浦河編-」を残した。生活体験者の目から書かれたもので非常に面白く、地元では気が付かないことも指摘され、参考になった。興味がある人は、ぜひ浦河町移住促進対策室にお問い合わせを。

 浦河町の例でも分かるように、これからは各市町村でも、足元の自然資源などをじっくりと観察・掘り下げ、他市町村と競合しない田舎暮らしの提案が求められる。日本は四季を通じてレジャー・趣味を楽しむことができる。一方、団塊世代は適応力がある。リタイア後の新しい生き方を示してくれるのではと、大いに期待している。(北央鑑定サービス(株)・堀川

 裕巳)

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