大言小語 裁判員制度と民事裁判
住宅新報 2009年9月1日 号 1面
8月27日、大阪高裁で更新料訴訟の控訴審があり、原告逆転勝訴となった。詳細は紙面に譲るが、この判決が今後どういう影響をもたらすか、その成り行きを注意深く追っていきたい。
▼一般紙でも1面に掲載されるなど多くの人が注目しているこの訴訟だが、先ごろ始まった、市民が参加する裁判員制度の対象とはなっていない。というのも、裁判員裁判は、地方裁判所で行われる刑事事件のうち、殺人罪など「死刑または無期の懲役もしくは禁錮に当たる罪」(裁判員法2条)などについて行われるので、そもそも民事事件は対象とはなっていないのだ。刑事事件に市民感覚を生かしていくという趣旨から生まれた制度なので、当然と言えば当然なのだが、少しもったいない気がする。
▼刑事事件の重大犯罪を審理し、更に量刑まで決定しなければならない現状では、裁判員の負担、裁判後の心のケアなど問題点が山積している。これが民事事件であれば、そうした負担なども軽減されるし、より身近な事柄を様々な社会経験と幅広い意見を持った人たちで判断することは極めて有益と思う。何より更新料など、市民にとって身近な裁判にこそ市民感覚を取り入れるべきではないだろうか。
▼消費者庁が発足し、消費者保護がますます重要視されていく。身近に起こった揉(も)めごとを市民みんなで考え、裁いていく、そんなシステムが社会に必要だろう。













