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スタンダード会員限定「変化」から新たな「挑戦」 東京スカイツリーが描く可能性 更に一歩先へ

住宅新報 2009年8月11日 号 15面

■工事現場がすでに新名所

 すでに新名所である。建設現場を望む場所では、カメラマニアだけではなく、携帯電話でさりげなく建設現場を記録に残す光景、さらにかしこまって記念撮影する姿もある。東京都墨田区押上1丁目。東武鉄道貨物駅跡地に建設中の新しい電波塔「東京スカイツリー」。着工からちょうど1年が経過した7月、徐々にその高さを増す。出来上がるとその高さは610メートルに。いまの東京タワー(港区芝公園、高さ333メートル)の約2倍で、地上350メートルのところに展望台も。その隣には32階建てのオフィス棟(高さ160メートル)もできる。完成は11年12月。

 事業主は東武鉄道と東武タワースカイツリー。総事業費は約650億円で、都内で進行中の最も大きなプロジェクトの一つだ。完成時の大きさはなかなか想像できないが、東京の風景を大きく変える存在になるだろう。93年7月、横浜みなとみらい地区に、我が国最高峰の70階建てビル、ランドマークタワー(地上297メートル)が開業したとき、その威容に驚かされたが、それをはるかに上回る『衝撃』を与えるに違いない。■新旧の良さ共存するまちに

 「東京スカイツリー」の建設は同時に、新たな東京・下町の活性化、可能性を予感させてくれる。この地区は東武鉄道と京成電鉄という関東大手私鉄の本社があり、また、浅草に隣接地でありながら、あまり脚光を浴びてこなかった。池波正太郎や藤沢周平などの時代小説の舞台として知る人ぞ知るエリアではあるが、あくまでも地味な存在であり続けた。

 だが、意外にも現地は交通の要所である。最寄りの押上駅には東武・東京地下鉄半蔵門線、京成電鉄・都営地下鉄が乗り入れ、都心へ、埼玉・千葉方面へと足の便は軽快だ。新しいタワーのおかげで、一転して目立つまちに変身しつつある。工事の進ちょくでまちはどう変わっていくのか。地元ならずとも目が離せない。願わくは、地域にある既存の商店街や町並みなどの特性を生かした、新旧双方の良さが共存するまちにつくり上げてもらいたいものだ。■住宅・不動産業界の可能性

 ひるがえって、住宅・不動産業界もいま大きな変化にさらされている。「変化・変革」を「さらに一歩先へ」進め「挑戦」する段階に入った。昨秋の金融危機と世界同時不況は我が国の住宅・不動産市場をも直撃。需要や市場構造を大きく変えた。その対応を練る中で、供給サイドも自らの「変化」を余儀なくされた。「顧客の視点」を意識した商品づくりや供給システムへの転換。まだ手探りだが、この環境変化への対応を機に、ようやく態勢を立て直しつつある。新たな模索と挑戦。住宅・不動産業界の今後の可能性をどう醸し出すか。「東京スカイツリー」で将来性が広がる地元と同じように、その可能性を確かなものにしたい。

 (柄澤

 浩)

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