大言小語 東京初の世界遺産、困難な道
住宅新報 2009年7月14日 号 1面
東京初の世界遺産、認められず。6月末に開かれたユネスコ委員会で東京・上野の国立西洋美術館本館の世界遺産登録が見送りとなった。同美術館は「近代建築の巨匠」ル・コルビュジエが設計した世界6カ国22作品の一つとして世界遺産に推薦されたもので、一括登録を目指していた。地元・台東区でも積極的なPRを展開。一時は「ほぼ当確」の声も挙がっていた。
▼風雲急を告げたのが、5月の「イコモス」勧告。「普遍的評価の証明が不十分」として、登録延期が勧告された。その後、各国が巻き返しを図ったものの、一部の建物で「保存管理」などの点に課題が残るとされ登録に至らなかった。日本が推薦して登録が認められなかったのは、08年の「平泉の文化遺産」(岩手県)に続き、2年連続。
▼一方、世界遺産を巡ってはドイツ・ドレスデンのエルベ渓谷が、登録を外されるというニュースも飛び込んできた。同渓谷は自然景観と建造物の調和が高い評価を受け、04年に世界遺産登録されたものの、橋の建設を巡り、市側とユネスコが対立。結局、登録解除となった。利便性と景観の問題は世界共通だ。













