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スタンダード会員限定拡大するか「中古流通」 --徐々に整う活性化の条件(下) 立ちふさがる2つの課題 建物診断とリフォーム

住宅新報 2009年7月14日 号 1面

 中古住宅市場の今後を占う課題の一つがインスペクション(建物診断・検査)の浸透。FRK(不動産流通経営協会)の市場予測でも盛り込まれている。普及しにくい実態

 インスペクションが産声を上げたのは9年ほど前。米国で浸透している制度を「わが国でも」と、大手不動産流通会社が取り組んだが、「残念ながらとても活発とは言えない」のが現状だ。その必要性を説き、専門家を養成しようとする動きも出ているが、今のところ、中古住宅取引での有料での活用例は「極めて少ない」と言われる。

 インスペクションの費用は1件当たり戸建てで5万-10万円程度。建築士などの専門家が目視で建物をチェックする仕組みだ。

 検査済み・診断書付きであれば、中古住宅需要者側は建物の状態が分かり、判断しやすいこと、一方、売主にとっては売りやすい、早期成約が可能という、双方にメリットがあるわけだが、現実には売主の拒否反応が強い。売主の協力不可欠

 「大半の売主が個人で、まず第一のネックは費用がかかること。次に、仮に故障や不具合などが見つかった場合、売主に不利に働くことになるだけでなく、現実に住んでいる家にケチを付けるような結果になり、嫌がる売主がほとんど」(大手仲介)だという。「期間中は無料でインスペクションを行います」という売り物件の収集キャンペーンを行っても、インスペクションに関する反応はそれほど大きくはない。

 「普及させれば、流通量が増えるとは思うが、現時点では売主の協力が得られるかどうか疑問だ。何らかのインセンティブ(誘導策)が必要」(FRK)というのが現状だ。

 例えば、建物検査・診断で「問題なし」となった場合、売主の瑕疵(かし)担保責任が免責になるとか、保険料などが安くなるといったことが考えられるが、そこまでいくと、今度はインスペクションそのものの精度(どこまで検査するか、外観の目視検査で大丈夫か)の問題にも直面してしまう。奥の深い問題だ。信頼感が不十分

 もう一つはリフォーム態勢の整備だ。インスペクションに比べると、現実的にはかなり浸透していると言われるが、リフォーム提案の内容や価格への信頼感などがまだ十分とは言えない。

 もっとも、リフォームといっても数万から数百万円、1000万円を超えるリノベーションと言われるものまで幅広く、多種多様でつかみにくい。「中古住宅購入者は、ほとんどが何らかの手を加えている。金額的には数万円から数十万円までが圧倒的。物件購入時だけに、さすがに大型リフォームは少ない」(大手仲介)という状況もある。

 FRKが昨年実施した消費者動向調査によると、既存(中古)住宅購入者のリフォーム実施率は45%で、予算は「数十万円から1000万円まで」と幅広かった。最も多かったのは築後10-15年もので、戸建てが「100万-300万円」、マンションは「50万-100万円」。この実施率には「自分で行った」とか「リフォーム済み物件を購入」という選択項目がなかったため、意外に低いように思われるが、実際には45%を上回ると見られる。

 「現実は顧客から照会があった場合、リフォーム業者を紹介するというスタンスの流通会社が大半で、まだまだ積極的とは言えない。物件購入で大きな予算を使う顧客に追加予算となるため勧めづらいし、物件によっても対応は異なるだろう。また、リフォームは専門家でないと『ビフォー・アフター』の出来上がりイメージや予算などの提案が難しい。今後の課題だと思う」(FRK)

 こうした状況を打開しようと、不動産仲介会社とリフォーム工事を行う建築会社が組んで中古住宅流通の活性化を目指す動きも出てきた。中古住宅取引時に買主が希望する大型リフォーム工事を売主側が実施したうえで売却、買主には建物の安心と満足を提供する仕組みだ。建築会社のエイム(埼玉県川口市)が提案する「リニュアル仲介」で、不動産仲介会社ネットワークの会員を募って全国展開しようというもの。中古住宅を軸にした建築会社と仲介会社の新しい連携の動きである。

 (柄澤

 浩)

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