紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第8回 坂口有吉
住宅新報 2009年6月30日 号 5面
滞納対策
夜逃げ屋は正義の味方か(後編)
TV番組の中では触れていなかったが、貸した側が法定金利内で貸し付けていたのなら、基本的に借りた側は約束どおり返済しなければならない。
それが出来ずに夜逃げする、それを手助けする、というのは、どうひいき目に見ても正義とは言えない。
番組内容は偏っているように思う。不要家財は置き去り
夜逃げ屋は「使える家電を買い取って夜逃げ費用の一部に充てる」と言っているから、自分たちの料金はしっかり頂いているのであろう。
本来ならまだ使える家電製品は、新居に持って行きたいハズである。だが、自分たちの「夜逃げ話」に乗ってきたような人間が、後でキッチリ支払ってくれるハズもないからこそ家電品を下取りして代金に充当しているのである。
問題は、「この家族が家賃だけはきっちり支払っていた」なんてことは有り得ず、滞納していたと思われることだ。
番組の中で夜逃げ屋は、こうも言っている。
「要らない家電製品や家財道具は置いていく」と。
無責任極まりない。
正式な解約の通知がなく中途半端に荷物を残されるのは家主も管理会社も非常に迷惑である。
たぶん二度と戻ってこないであろう、と分かっていても勝手に荷物を処分できないし、ほかに移せば保管料も掛かる。次の募集も掛けにくい。鍵を郵送で返してきたとしても、移転先の住所が書いてあるワケがない。
つまり、結果的に滞納家賃は100%踏み倒されることになる。
その片棒を担いでいるのが、夜逃げ屋である。家賃踏み倒しが前提
夜逃げ屋は「当社で新しい職も紹介した」と言っているが、返済せずに夜逃げするような人間が、借金を返済するワケがないのだ。新居の家賃だって払わなければならないのだから。
誰も自分たちのことを知らない場所にやっと逃げ延びて来たのである。『返済などする気にはならない』と誰より夜逃げ屋自身が一番分かっていることだろう。
夜逃げした債務者にとって夜逃げ屋は「救いの神」かもしれないが、善良な債権者や家主からすれば、「とんだ貧乏神」でしかない。
どう正当化しようと、夜逃げ屋は正義の味方なんかじゃない。
(坂口有吉不動産・社長)













