大言小語 高齢者とゲストハウス
住宅新報 2009年6月30日 号 1面
ゲストハウスが面白い。女性専用、外国人、低所得の若者層向けなど様々なタイプが登場している。母子家庭専用などの企画もあり得るだろう。それにしてもゲストハウスの隆盛は、20年には全世帯の35%を単身世帯が占めるという日本の寂しい家族像を先取りしたものか。
▼同じ属性の人たちが一つ屋根の下に身を寄せ合うメリットはコミュニティが生まれやすいなど確かにある。女性専用はデメリットも少なく成功の確率も高いといわれる。おそらく、企画が最も難しいのは高齢者専用のゲストハウスだろう。たとえ健常者に限定したとしても、『集合』のメリットが見出しにくいからだ。お年寄りは多様な世代に囲まれて暮らしてこそ、生きがいも存在価値も強まるものである。
▼たった3人の従業員しかいないのに、おいしくて、感じが良く、さわやかに飲める居酒屋を見つけた。秘密は3人の動きに一つとして無駄がなく、20人以上が入る店だが、オーダー取りから会計までをひとり一人が適宜こなす。客は、プロ意識に徹したその連携プレーの見事さに引き込まれ、オーダーの声を張り上げることもせずマナーの良さが自然に身に付くという次第だ。
▼ゲストハウスの居心地もこの居酒屋と同じだろう。人が真剣に生きている姿は、近くにいる者を感動させ、支援したい気持ちが自然とわいてくる。それが真のコミュニティというものだ。













