大言小語 少子化問題も静かな「有事」
住宅新報 2009年6月23日 号 1面
国の存立にかかわる『静かな有事』と呼ばれる問題が「少子化問題」である。厚生労働省がこのほど発表した人口推計によると、合計特殊出生率が3年連続で微増し、08年度は1.37になった。改善は見られるものの、2を超える必要がある人口増にはほど遠い。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、中位推計で100年後に、半数以下の約4500万人になると言われている。
▼人口の減少は、経済活動をおしなべて縮小させる。衣食だけでなく、住宅供給もしかり。都市圏はしばらく人口増加と言われるが、地方圏は高齢化が進み、全体としては結局沈下する。先頃、INAXが海外ブランドの買収を決めたが、日本での需要増が見込まれないことから海外進出を積極化させている。
▼少子化の原因は住宅事情も関係するが、教育費の問題、女性の働きやすさの問題など、課題は山積みだ。ただ、これまでの少子化対策は、対症療法的に「なんとか食い止める」というニュアンスが強かった。歯止めをかけて、減り具合を緩和させるという程度だ。
▼しかし、人口を再び増加させるという強い政策のビジョンを打ち出せないものか。人口増に確信が持てる施策が打ち出され、日本全体がその方向に進んで行くならば、住宅・不動産業の活性化が続くだけでなく、社会保障問題も解決に向かい、日本の将来は明るいものになろう。













