トラブルを未然に防ぐ! 不動産の実務ノウハウ(56) 登記事項証明書に筆界特定を新設!
住宅新報 2009年6月16日 号 6面
09(平成21)年5月29日、法務省は「不動産登記の登記事項証明書、閉鎖登記事項証明書及び登記事項要約書の様式の一部が変更されます」と、発表しました。
用紙の向きについては、A4判の「よこ型」から「たて型」に変更されます。
また、登記事項の配置等では、(1)表題部の「原因及びその日付」と「登記の日付」の部分が「原因及びその日付〔登記の日付〕」に統合され、(2)権利部(甲区)の「原因」と「権利者その他の事項」の部分が「権利者その他の事項」に一つに統合され、(3)証明書等の「主たる建物」の表記が「主である建物」に、(4)「敷地権の目的たる土地の表示」の表記が「敷地権の目的である土地の表示」に、(5)「担保の目的たる権利の表示」の表記が「担保の目的である権利の表示」にそれぞれ変更されます。そして、(6)土地の表題部に「筆界特定」の欄が新設されます。
変更の実施時期は、「登記情報システム」が新システムに切り替えられた法務局において交付される証明書等から順次変更される予定。
08(平成20)年11月25日変更の宇都宮地方法務局に始まり、先月末までに長野・横浜・奈良・高松・熊本の法務局で実施され、今後は、6月予定の前橋・大阪、7月予定の福島・名古屋法務局と続きます。
なお、登記情報交換サービスを利用する場合、様式が変更されない法務局において、様式が変更される法務局管内の登記事項証明書を請求したとしても、様式が変更されない法務局から交付されるため、その様式は旧様式となります。
ここで大切なことは、従来は、「地図番号」欄に「筆界特定」の概要を記録していましたが、土地の表題部に「筆界特定」の欄が新設されることです。
「筆界特定制度」とは、土地の所有権の登記名義人等の申請に基づいて、筆界特定登記官が、外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、土地の筆界の現地における位置を特定する制度です。「筆界とは、ある土地が登記された時にその土地の範囲を区画するものとして定められた線であり、所有者同士の合意等によって変更することはできません」(法務省民事局)。
06(平成18)年1月20日施行の「筆界特定制度」利用件数は、08(平成20)年3月末時点の申請受付件数で5480件。筆界特定終了件数は1873件に達しています。
万一、売買予定の土地において筆界特定が行われていた場合や現在進行中の場合は、後日、取引対象の表示地積から減小する場合も考えられるため、筆界特定の関与する物件においては重要事項として説明を行い、最悪の場合を想定した敷地面積の表示により売買契約を締結することが安全です。この場合、現地での筆界位置の確認は大切です。(エスクローツムラ代表取締役・津村
重行)
問い合わせ先は、ファースト信託・06(6533)7252。













