大言小語 都市計画法90年
住宅新報 2009年6月9日 号 1面
都市計画法施行から今年で90年。いわゆる富国強兵の一環としての土木事業推進が立法の主眼だったものの、背景にあったのは、当時の内務省が研究を重ねていた「田園都市」構想。その原点がイギリスの「都市計画の祖」エベネザー・ハワードの著書「明日の田園都市」(1902年)だ。当時、住環境の悪化が深刻化していたロンドンの状況を見据え、自然と共生した田園都市を構想したもの。
▼ハワードは「都市」「農村」のメリットを融合することによって、協同社会・田園都市を生み出すことが可能と主張。イギリスではこの理論を基にレッチワースやウェルウィンが建設され、今日でも理想都市として高く評価されている。
▼日本では、渋沢栄一らがハワードの理想を基に1916年、「田園都市株式会社」を設立。洗足や田園調布のまちづくりが実践された。戦後、東急電鉄会長の五島慶太が「日本版レッチワース」をスローガンに「多摩田園都市」プロジェクトを実施。また、公団によるニュータウン建設にも、「職住近接」こそならなかったが、ハワードの理念が息づいている。













