宅建免許でできる「実物取引による信託物件仲介法」(14)司法書士・福田龍介
住宅新報 2009年5月19日 号 6面
前回書いたように、不動産証券化スキームでは様々なメリットから信託の仕組みが利用されて(信託受益権での取引が行われて)きた。しかし、最近(特に金融危機以来)これまで現われてこなかった信託受益権取引のデメリットが顕在化してている。それを回避する手法を提案するのが本稿の目的であるが、そのデメリットを簡単に復習しておこう。
1つは、長期保有の場合信託フィーがかさむという点である(連載第2回)。2つ目は、信託スキームや信託受益権というものが一般にはまだまだ馴染みがないということである。これまでは個人投資家や一般事業法人が直接信託受益権取引に関わってくるという事が少なかったが、現在の金融情勢からファンド組成物件の売却先として彼らが登場してくると、「信託受益権に馴染みがない」ということが取引の阻害要因になってくる。彼らはよりわかりやすい取引、即ち現物不動産での取引を望むからである(第3回)。3つ目は、あくまでも流通するのは信託受益権であるから、その取引を仲介するためには宅建免許ではなく、第二種金融商品取引業者の登録が必要となる。しかし、実は個人投資家や一般事業法人などの「買いニーズ」の多くをつかんでいるのは宅建業者(大半は「二種登録」を持たない)であるから、彼らが仲介できないということになると買いニーズがなかなか集められないことになる(同)。
これらのデメリットを回避する方法の第1として、ファンド自体が信託契約を解除して信託を終了させ、現物を保有するという方法が考えられる。こうすればファンドからの買い手は現物不動産で買うことができ、宅建業者も仲介できる。しかし、この方法ではファンド(SPC)に流通税(不動産取得税、登録免許税)が課されてしまうし、不動産特定共同事業法の規制にもかかる可能性が出てくる(第5回)。













