英国は「建物の美」重視、日本は「耐震性」 リクルート住宅総研 日英で意識格差
住宅新報 2009年5月19日 号 3面
リクルート住宅総研は5月12日、「住宅長寿命化大作戦」と題したいわゆる200年住宅論を発表した。日本の住宅寿命がなぜ欧米諸国に比べ短いのかなど、興味深い様々な論点を展開している。
基礎データとしたのが、日英の持家層に対する詳細なアンケートだ。それによると、住宅の長寿命化のために重要な項目として挙げた内容が日本と英国では対照的だった。英国が建物の美や快適性などアメニティーに関する項目を重視しているのに対し、日本はバリアフリーや耐震性能などを重視している(グラフ参照)。
また、地域に対する愛着度でも両国の間には大きな開きが見られた。英国では現在の居住地域に対し「非常に愛着がある」と答えた人の割合が44%だったのに対し、日本は20%で英国の半分にも達していなかった。
英国には、自治体と個人の中間に地域の住環境を保全する機能があることが要因となっているのではないかと同総研は推測している。地域のハウスオーナーの組合、ローカル・アメニティー・ソサイエティーなどが活動しているという。
一方、日本人の住宅長寿命化に対するニーズでも興味深い結果が出ている。30-50年未満という人が35%で最も多い。次いで50-70年未満が29%、70-100年未満が16%の順となっている。100年以上を望む人は約10%に過ぎなかった。これを年代別に見ると高齢層ほど想定している住宅寿命が短いことから、「自分が生きている間は問題なく」という「一世代一住宅」の考え方が基本になっていると同総研は分析している。
耐久性・耐震性に優れた新築住宅を購入して永住するというのが現時点での日本人の長寿命化ニーズと思われるが、同総研の島原万丈主任研究員は「地域への愛着が少ないという調査結果とは矛盾しかねない」と指摘する。
今年6月4日に施行される長期優良住宅普及促進法に関する意識調査も行われた。それによると、同法の認知状況(今年1月末時点)は住宅購入・建築意向者の3割弱が「名前は聞いたことがある」としている。「法律の内容を理解している」は1割に満たなかった。
長期優良住宅を魅力的に思うかという質問に対しては、7割が肯定した。しかし、そのためのコスト高を受容できるかという点については、「2割高くなっても購入を検討したい」は2割にとどまった。「1割高前後なら検討したい」は6割に達している。「全く許容しない」は2割だった。
これらの結果から、長期優良住宅に対する需要は2割以上のコスト高なら新築住宅希望者の8.3%、1割高程度なら20%と推測できるとしている。この2割高許容層の3割は世帯年収が1000万円以上で、平均は1400万円だという。
なお、住意識の日英比較調査の対象者は、20歳以上の持家世帯主または配偶者で、サンプル数は日本が首都圏の2060、英国はグレーターロンドンの1000。長期優良住宅受容性調査の対象者は3年以内に住宅取得を検討している首都圏在住者でサンプル数は1500。調査方法はいずれもインターネットによる。













