Jリート投資・再入門(下)
住宅新報 2009年5月5日 号 1面
Jリートは、本来はミドルリスク・ミドルリターンの商品特性を持っているといわれている。国債よりも利回りが良く、株式よりも価格が安定しているという説明だ。
しかし昨今では、Jリートは株式以上のハイリスク商品になっている。高いリターンも望めるが、投資姿勢としては、株式に投資するのと同じ心構えで投資する必要がある。
「価格が安定していて、定期的に安定した配当がある商品」で、「多少価格が下がっても、長期的に持っていれば配当で埋め合わせができる」というような教科書的な説明は現時点ではほとんど当てにならない。
半年先に期待している分配金以上のキャピタルゲインやキャピタルロスが2、3日で容易に生じる可能性がある。配当金だけを目当てにしていたとしたら、驚くことだろう。
1週間で分配金10年分ぐらいの価格下落が起こってもおかしくない状況だ。その逆に、価格が同じぐらい上昇することもありうる。
分配金の利回りが20%近いような銘柄のもあるが、価格が2倍、3倍になったり、逆に2分の1、3分の1になるとしたら、分配金による収入は霞んでしまうか、吹き飛んでしまう。
株式投資は、「配当金目当てでなくキャピタルゲインを狙う」というのがセオリーだが、Jリートも現在はそうしたキャピタルゲインを狙うべき商品になっている。長期投資も良いが、酷い資産目減りも
Jリートに投資するときに、良く考えておくべきことのひとつに、「どのように止めるか」ということがある。買うときには夢を膨らませながら慎重に銘柄選びなどをするものだが、「止める」ときのことを考えて買う人は少ない。
「長期投資なので10年・20年止めない」という方針も結構だが、止めるタイミングを間違えると長期間「塩漬け」になる可能性もある。
Jリートの時価総額は、ピーク時と比べ約3分の1に下落している。株は上がっていると買いたくなるものだが、Jリートを07年のピーク直前で購入し、そのまま持ちつづけていたとすると、投資した資産が半分以下に目減りしていてもおかしくない。
500万円投資して200万円になっていたら悲しい限りだ。その場合、リカバリーするには2.5倍にする必要がある。
利益が出ていても、もっと上がると思い、そのままにしておくと下落が始まり、損失を確定したくないので回復を待ったが、どんどん値下がりし、いつのまにか塩漬けになるというのがよくあるパターンのようだ。そうなってから、Jリートをののしっても始まらない。20%下げで利確定
損切りルール持て
「止め方」としては、利益確定の場合と損切り(ロスカット)の場合がある。
Jリートの場合、利益が乗っていれば持ち続ける価値はあると思われるが、ピークから20%下げたときは、下降トレンドに転換した可能性があるので、一旦利益確定して様子を見た方が、上述のような災難を逃れる可能性が高いだろう。「もっと上がるかもしれないので止められない」という意見もあるが、前のピークを株価が超えてきたときに再度買い直しても遅くないはずだ。
逆に、「損失が出た場合は何%で止める」ということを予め決めておいた方がよい。例えば、「10%下がったら無条件で止める」というルールを決めておく。500万円分購入したら、10%の50万円損したときに止めるというようにしておかないと、損失がどんどん膨らみ、心理的に止められなくなる可能性が高い。10%の損なら取り戻すことはさほど難しくない。下落したときに買う方が安全だ
心理的に、株は下がっているときには買いにくいものだが、下がっているときに買うほうが実は危険は少ない。「株は買うと下がりはじめ、売ると上がり始める」という。上がっているから良いと思って買うと、買ったとたんに下がりはじめ、上がることを期待して我慢しているうちに、我慢の限界にくる。そして売ったとたんに上がり始める。Jリートでも同じ可能性がある。
Jリートは現在指数で見ると、リーマンショックで大きく下げた後に、一定の価格の範囲(ボックス圏)で横ばい傾向で推移している。その範囲の中で、比較的下の方に下げたときは一つの買い場だ。
底割れしたときの損切り(ロスカット)ルールをしっかり決めておき、トライしてみる価値は十分にあるだろう。
(遠藤
信明)













