トータルブレインのマンション最前線 中央・京王・西武線を市場分析
住宅新報 2009年5月26日 号 5面
今月のトータルブレインの市場リポートでは、中央線・京王線・西武線の動向を分析したうえで、東京都下エリアの市場をまとめている。「基本的に戸建てのニーズが強いエリア」であるため、「常に戸建て住宅を意識した戦略が必要」としている。
吉祥寺-武蔵境、国分寺-国立、立川、八王子、昭島、拝島の6エリアを分析した中央線では、08年の平均分譲単価(293万円)が、03年前後の旧価格と比べて約60%上昇した。その影響もあり、旧価格当時は年間2000戸前後の供給ボリュームだったが、08年は500戸弱に落ち込んだ。
面積の圧縮でグロス価格上昇への対応を試みたものの、単価の大幅上昇がそれを上回った。08年の平均価格は6528万円。販売は苦戦しているようだ。
ただ、中央線沿線は都心へのアクセス性や住環境が良好で、商業施設も充実しているため人気の高い沿線の1つ。また、戸建て住宅は徒歩16分以遠のものが多く、徒歩圏内(15分圏内)で適正価格のマンションであれば、競争力は高いエリアだとしている。
国分寺-国立では5000万円程度まで、立川は4000万円前後、八王子は3000万円をそれぞれ目線にすべきだとしている。
京王線では、調布、府中、分倍河原-中河原、若葉台-南大沢の4エリアを分析した。徒歩15分圏内での戸建て供給が多いこのエリアでは、特に価格への意識を強く持つ必要があるとしている。
調布エリアで5000万円まで、府中エリアで4000万円台半ば程度。それ以外では、3000万円台半ばまでに抑えた価格が妥当だとしている。
西武沿線では、新宿線(田無、久米川-東村山、東大和市-玉川上水の3エリア)の08年の平均分譲単価は、旧価格と比べても10%弱の上昇に収まっている。久米川-東村山エリアで価格調整がいち早く進んだ影響もあり、平均で172万円。ただ、決して順調な販売状況であるとはいえないようだ。
その要因として、徒歩15分圏立地の戸建て住宅が、3000万円台で多く供給されていることを挙げている。競争力のあるマンション価格にするならば、3000万円台前半-半ばまでに抑える必要があるが、08年の設定は戸建て住宅と完全にバッティングしてしまったようだ。
田無エリアでの落ち込みが特に激しく、08年に供給された物件(51戸)の初月契約率は37%。急行停車駅である田無でも、3000万円台半ば-後半までがマーケット価格だと指摘している。
一方、池袋線(保谷-ひばりが丘、東久留米-清瀬の2エリア)の08年平均分譲単価は、旧価格比で70%上昇した(245万円)。
ひばりが丘駅前の「ヒバリタワー」がその象徴物件で、それまでの平均単価を一気に押し上げる価格で供給された。更にそのヒバリタワーの販売が順調だったため、その単価が1つの指標となり上昇が加速したようだ。
ただ、駅前再開発が進むひばりが丘と比べて、駅力が多少劣る保谷エリアでも高値供給が相次ぎ、販売は苦戦に陥っているという。
特に池袋線では、価格調整のための面積圧縮が顕在化しており、保谷-ひばりが丘で平均面積が旧価格時代と比べて10平米程度圧縮、東久留米-清瀬エリアでは15平米程度狭まっている。
大幅に価格が上昇したエリアだが、基本的に3000万円台のマーケットだとしている。
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都下エリアでは、中央線を除けば駅徒歩10分前後の立地でも、戸建て住宅の供給が散見される。そのためマンションの場合、駅近立地という条件は大きなウェートを占めるとしている。また、戸建てへの対抗から広さも必要になるため、単価が上がればグロス価格に直結してしまう難しさもあるという。
沿線・エリアごとに細かく市場のニーズ・民力(購入体力)からアッパー価格を探り、戸建て住宅との差別化戦略を立地・価格両面から行うことが必要だとまとめている。













