国土交通省資料(抜粋) 社会資本整備審議会産業分科会不動産部会 中間とりまとめ
住宅新報 2009年4月28日 号 15面
社整審不動産部会では、安心安全な不動産取引と既存住宅を中心とする不動産流通市場の活性化について様々な議論がなされている。今回は中間取りまとめの中から「重要事項説明の見直し」について、取り上げた。「インスペクションの活用」「賃貸不動産の管理」についても適宜取り上げる。3.購入者等に対するより適確な情報提供に向けて(1)不動産取引における情報提供のあり方○不動産取引における購入者等への情報提供については、売主、買主、宅地建物取引業者、宅建業者以外の専門家(インスペクション実施者等)等のそれぞれの役割と責任について整理して、検討を行う必要がある。○情報提供は、具体的には、広告、重要事項説明、売主の告知書及び建築士等によるインスペクション等の形態で行われているが、それぞれの役割及び特徴を明らかにし、適確な情報提供が行われるよう内容を精査すべきである。○提供される情報が適確に活用されるためには、購入者等においても情報を理解し判断できる能力を高めることが不可欠であり、購入者等に対する不動産取引に関する一般的な知識の普及を支援する仕組みが必要である。(2)重要事項説明の見直しの必要性○不動産取引において宅地建物取引業者により実施される重要事項説明は、購入者等の保護を図るための重要な手続であるが、累次の説明項目の追加により、その説明項目の分量が多くなってきている。○また、説明を受ける購入者等にとっても、項目が多岐にわたる上に時間も長時間となるため、契約に当たって何が重要かがかえってわかりにくくなっているとの指摘も多い。○このため、現在の重要事項説明書に記載すべき項目は維持しつつ、宅地建物取引主任者が説明する項目については、購入者等の取引(契約締結)の意思決定に与える影響の高いもの、既に購入者等が理解しているもの等に応じて説明項目を整理するよう制度の見直しについて検討する必要がある。
以下では、具体的な見直し内容について検討を行う。(3)重要事項説明の見直し(1)重要事項説明のための書面の事前交付(現状)○実際の不動産取引の場面においては、購入者等が契約締結の意向を固めた後に重要事項説明が行われ、その直後に契約締結されることが多いといわれている。購入者等が重要事項の内容について十分な時間的余裕を持って理解し、契約の検討ができる環境が確保されていない可能性がある。(対応策)○購入者等が契約内容を十分に理解、認識して契約締結を行うためには、重要事項説明書の案を受け取って、重要事項説明の前に購入者等がその内容の理解状況について整理できるようにすることが考えられる。○実際にも、契約締結直前の重要事項説明だけでは購入者等への十分な説明が行えず、契約後の紛争の原因となったり、契約締結を取り消されたりするため、重要事項説明に先立って重要事項説明書の写しなどを購入者等に交付して事前の説明を行っている例も多い。○このため、あらかじめ重要事項説明書の案や写しを購入者等に対して交付することについて、検討を進めるべきである。(期待される効果)○購入者等が、重要事項説明の趣旨や内容を理解し、不明な内容について説明の際の質問事項として整理するなどの準備を可能とする環境を整えることで、重要事項説明の際に、購入者等の不動産取引についての理解を一層深めることが期待される。○宅地建物取引業者としても、購入者等の理解度や関心の度合いに応じて説明に濃淡をつけることができることとなり、購入者等に対する説明を深め、紛争の予防に効果があると考えられる。(事前交付のタイミング)○事前交付を行う時期としては、多様な取引形態が存在するため、制度上明確に定めることは困難であるが、事前交付制度の趣旨を踏まえれば、重要事項説明が行われる直前ではなく、重要事項説明までに時間的余裕があることが望ましい(例えば、少なくとも重要事項説明の前日までには交付される必要がある)。(多様なニーズへの対応)○事前交付が不動産取引に対して過度な手続となり、不動産の流通を阻害することのないような配慮が求められる。○このため、事前交付を求めないことについて購入者等の同意がある場合には、事前交付を不要にできるよう配慮する必要がある。○また、宅地建物取引業者を相手方とする重要事項説明の場合には、当該宅地建物取引業者は、専門家としての知識と注意力を持って取引しており、事前交付は不要ではないか。(2)事前交付書面の電子化(事前交付書面の電子化)○(1)において検討した事前交付書面を交付する制度の創設に当たっては、情報通信技術を利用する方法による交付も可能とすることにより、事前交付書面の受け渡しの方法が多様化され、容易に行うことができるようになる。(期待される効果)○電磁的措置により代替できるようにすることにより、迅速かつ簡易な書面交付を可能とするとともに、記録や保存が容易になり、新たな制度導入による関係者の負担軽減にもつながるものと考えられる。(事前交付書面と重要事項説明書の相違点)○事前交付書面は、重要事項説明書の案や写しを交付するものであり、取引主任者による当該書面への記名押印までは不要とすることが適当である。(想定される電磁的措置)○電磁的な措置としては、電子メールやCD-ROM等を利用したもので、購入者等にとって受取、記録、保存が容易であるとともに、容易に紙媒体にも出力できることが必要である。













