宅建免許でできる「実物取引による信託物件仲介法」(10)司法書士・福田龍介
住宅新報 2009年4月21日 号 6面
前回の例で、祖父(委託者)は親友(受託者)に財産権を単に「預ける」だけではなく「譲渡」してしまった。もちろん、それには理由があるのだが、「譲渡」するということは権利の帰属先が親友に変わってしまうということであり、そうなれば当然それによる不都合が予想される。
例えば、親友が祖父の期待を裏切って、教育費の支払いや、運用益の孫娘への還元をしなかったり、勝手に処分・費消してしまったり、親友の経済状態が悪化して財産を差し押さえられたりなどである。
これが信託でなく文字通りの「譲渡」であれば、こういった不都合は防ぎようがない。「譲渡」を伴う法律関係としては、「売買」や「贈与」、「交換」がある。例えば祖父が親友に財産を売買によって譲渡したとすると、譲渡された財産は、当然親友(買主)に何の制約もなく帰属し、「彼のもの」になるから、どんな処分も彼の自由である。













