都市機構 『ふるさと暮らし』を推進 地方都市ニュータウンを対象に
住宅新報 2009年3月31日 号 14面
農業指導、趣味サークル設置など
地域との連携がカギ
独立行政法人都市再生機構(UR)のUIターン販売担当チームは、東北地方のニュータウンを主な対象に、首都圏からのUIターン希望者の受け入れを促進している。4月1日には、大阪駅前第1ビルの4階に開設される「ふるさと暮らし情報センター」(事業主・認定NPO法人ふるさと回帰支援センター)にブースを出展。これを足掛かりに、今後は関西圏での認知度向上にも努める方針だ。
UR・UIターン販売担当チームは、首都圏に住む団塊世代の退職を見据えて06年6月に発足した。「UR-UIターンクラブ」を組織し、会員に宅地情報などを提供している。現在事業の対象となっているのは、八戸や盛岡など8つのニュータウンだ。
同チームの高木善和課長は、受け入れを促進する重点課題として「地域との連携体制の構築」を挙げる。
ニュータウン内は、スーパーや学校などの生活インフラを完備しているため、「農作業はしたいが、いきなりの田舎暮らしには抵抗がある」という層でも比較的受け入れやすい点が強みだ。医療施設も充実しており、将来的な健康面の不安解消にもつながる。
しかし、『UIターン対象のニュータウン』として訴求するには、更に利用者ニーズを反映する必要があるという。具体的には、税制面の優遇措置や、地元農協を通じた農業指導、絵画や陶芸といった趣味サークルの設置だ。こうした仕組みを確立するには、地域の協力が必要になってくる。
その一方で地域にとっても、首都圏からのUIターン者の受け入れは地元を活気づけるチャンスにもなる。
そこで同チームでは、地域と連携を強めるきっかけとして、ふるさと回帰支援センターが都内で定期的に開催している「ふるさと暮らしセミナー」に、各地域と共同出展する取り組みを今年1月から始めた。
その地域にゆかりの深い著名人による講演のほか、URがニュータウンを、行政職員が「ふるさと紹介」として地域の魅力を案内する内容だ。1月には青森県八戸市、3月には新潟県長岡市の行政職員らが地元をPRし、好評を博したという。
高木氏は、「地域と完全に隔離した状態での移住となっては、地方に『東京村』をつくるのと同じことになる。移住後を想定し、地域とつながった暮らしができる仕組みの確立に取り組んでいきたい」と語った。













