寄稿 名古屋の地価下落から想うこと 地元は悲観も楽観もせず 不動産鑑定士・小川隆文
住宅新報 2009年3月31日 号 6面
このほど発表された平成21年公示では、名古屋市の商業地の下落率が全国上位10地点のうち9地点を占め、都心と都心周辺商業地を中心に不動産市場の悪化が鮮明になった。名古屋市は都心とその周辺商業地が4年間全国トップクラスの上昇率で推移したことからすると、変化のスピードの早さと激変した市場環境の厳しさに驚かれた方も少なくないと思われる。21年公示結果と市場の現状
大幅下落の理由として、金融危機、世界同時不況とオフィスやワンルームマンションの大量供給があり、これらは全国の大都市圏の商業地や優良住宅地にほぼ共通する要因である。昨年後半、特にリーマンブラザーズの破綻以降は金融機関の新規不動産融資はほとんど行われず、都心やその周辺では不動産取引がほとんど成立しない状況にあり、売手と買手の価格差も開いたままである。大幅下落の原因
名古屋市の下落率が全国と比べて大きい理由に自動車産業の大幅減産がある。1.2月の自動車産業の操業率は在庫調整もあって30%台といわれており、夏ごろには一定水準へ回復するものの当面ピーク時の70-80%位にとどまると予測され、地域経済への影響は計り知れないものがある。既に、昨年の6.7月ごろには派遣契約の解除や経費の大幅削減が始まっており、地価にもその影響が直撃した。













