今後の動向など議論 景気後退期の不動産 不動産学会がシンポ
住宅新報 2009年3月24日 号 5面
日本不動産学会の08年度公開シンポジウム「不動産政策シンポジウム」が3月16日、東京都文京区後楽の住宅金融支援機構本店「すまい・るホール」で開かれた。
テーマは「日本の不動産をめぐる政策を考える・景気後退期における不動産市場の活性化」。少子高齢社会が急速に進む中で、「住」の視点から不況脱却の鍵を握る不動産政策の在り方について、政・官・学の立場から提案がなされた。
基調講演では、政策研究大学院大学学長の八田達夫氏が「不況期における不動産市場活性化」と題して、公共経済学の視点から失業対策などを指摘。
「農業や介護など、規制の強い分野を改革していくことがより重要となっている。他国の例でも、財政政策ではなく金融政策によって不況を脱してきたという事実を重視すべきだ」と述べた。
パネルディスカッションでは、政策大学院大学客員教授の植松丘氏をコーディネーターに、八田氏のほか、▽岩田一政・内閣府経済社会研究所長▽榊正剛・国土交通省国土交通審議官▽堀江正博・東急リアル・エステート・インベストメント・マネジメント代表取締役執行役員社長--の各氏が、不動産市場と経済全体をめぐる動き、今後の市場動向について議論を展開した。
このうち植松氏は、リートの現状に触れ、Jリートと日経平均株価が、設立当初の予想とは異なり、極めて連動していること、Jリートの時価総額が07年上期をピークに急落したことをグラフで紹介。一方、国際的な不動産投資市場として、依然として日本が主要な投資先であることなどを指摘した。
岩田氏は「金融面の脆弱性や信用バブル崩壊による信用収縮、実体経済の悪化などで世界経済は戦後最も深刻な状況にある」とした上で、「過度の外需依存を脱し、日本経済を国内民間による内需主導の流れに乗せていくことが重要」と述べた。
榊氏は、住宅金融支援機構による事業資金の供給をはじめとした、08年12月の「住宅・不動産市場活性化のための緊急対策」に触れながら、「民間資金などによる不動産の有効活用促進プロジェクトや投資市場の活性化促進が急務だ」と強調した。
堀江氏は『社会経済金融インフラ』としてJリートの存在は極めて重要であるとしながら、歴史が浅く、制度が未整備であることから、制度改善が不可欠と指摘。市場の透明性を高めながら、専門家の職業倫理の向上も重要であると述べた。













