知って得する建物の豆知識(69) 子ども部屋 隠れ家的空間が人気
住宅新報 2011年9月6日 号 4面
子育ては住宅取得の重要な動機付けの1つと言われています。子ども室への提案性いかんでクライアントの信頼を得ることができ、以降の商談をスムーズに進めることもできます。
ワンルームを後に分割
子ども室の提案スタイルとして最も多く見られるのが、移動家具で部屋を2つに分割する方法です。小さい時期はワンルームとして使い、小学校高学年になる時期から家具や間仕切りによって分割します。
子どもだから狭い空間で良いというのは間違いで、基本的な情緒や感性が固定化されるのは幼児期と言われており、この時期に広い空間や三次元的な広がりを体験することが幅広い人間性を養ううえで重要と言われています。その意味でも、最初はワンルームとし、時期を見て分割するという方法は現時点での子ども部屋へのリーズナブルな回答の1つではないでしょうか。
注意として、開口部、照明器具やコンセント、スイッチ類の数と取り付け位置の問題があります。2分割した状態で使うことを想定し、これらをチェックしておくことが必要です。
別の考え方として、子どもが20歳になっても十分使える程度の広い空間を早い時期から与える、というものがあります。将来分割するなら、最初から2つに分けた部屋を用意する方がコスト面でも合理的であるのは確かです。まだそれぞれに部屋を与える時期でない段階では部屋を用途別に使います。2つの部屋を、勉強・遊びの部屋と就寝・収納部屋に分けることで生活のケジメもつけられるし、子供の自主性を養うチャンスにもなります(用途別分割)。
配置替えで大掃除も
レイアウトについては、南面配置がいいことは言うまでもないのですが、主寝室を含めた3室南面が可能な敷地はそう多くありません。現実的な解決策としては主寝室を北側に、南面2室を子ども部屋に充てるというケースが多くなります。夜間使用が主となる主寝室を北側に持っていくことは止むを得ないとしても、住宅を商品として考える際は主寝室の南面も必要です。この場合は南面2室を主寝室と子ども部屋1つに充て、2つの子ども部屋ゾーンを南北方向に取るプランが現実的です。
このプランでは、南北の部屋によって居住性への不均衡が生じます。対策としては先の「用途別分割」が有効ですが、季節や学年の変わり目に部屋ローテーション(位置替え)をする方法もあります。これは一種の子ども部屋の大掃除であり、不要品の処分や所持物の整理には効果的です。
子どもを『味方』に
子どもたちが大好きなのは、三次元的な空間の広がりや秘密の隠れ家的な空間です。三次元の空間変化が子供のインスピレーションを刺激し、創造・想像力を育て、前述したグルニエやアティックなどの屋根裏的な空間が子どもの好奇心や冒険心、独立心を育みます。住宅販売の商談シーンでは、子どもたちを味方に付けることが重要なのです。
(建築家・中村 義平二)













