「社説」 マンション管理の今日的課題
住宅新報 2009年3月10日 号 2面
地域交流の動き、加速
08(平成20)年度「マンション総合調査」の結果がまもなく公表される。この調査は全国のマンション管理の実態や区分所有者の意識などを把握することを目的に国土交通省(旧建設省)が4-7年に1度行っているもので、都市居住の主要形態として定着したマンション生活を包括的にとらえるうえでの格好の資料となっている。
前回の03(平成15)年度調査では、居住者の急速な高齢化や住戸の賃貸化と共に、マンションへの永住志向が高まったことなどが明らかとなった。今回の調査結果では、こうした傾向がより顕著となっていることが想定される。その一方で、景気低迷に伴う管理費滞納の動きや、マンション管理士など専門家活用の進展状況も気になるところだ。
01(平成13)年8月に施行されたマンション管理適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)は、分譲マンション維持・管理の重要性を多くの居住者に浸透させた点で意義のあるものといえるだろう。
「法施行後8年」という歳月の経過の中で指摘されていることの1つに、首都圏の分譲マンションを中心に、管理組合と管理会社の成熟した関係が生まれてきていることが挙げられる。相互がその役割を認識し、補完し合いながら、「より良い居住環境」を生み出している例も多い。
そんな中、マンション管理会社の団体である高層住宅管理業協会は今年30周年という節目の年を迎えた。秋には記念式典や講演会が開かれるほか、「未来のマンション生活」をテーマにした小中学生の絵画コンテストなども行われる予定だ。
同協会の黒住昌昭理事長は「何より重要なことは、マンション管理業を住生活総合サービス業として発展させていくことだ。より広い視野から住まい方の提案をしたり、地域のコミュニティーづくりにも参画していくことによって、管理業務の幅を広げていきたい」と語る。
しかし、中には、「管理組合理事のなり手不足」や「組合活動の無関心者の増加」など、難問を抱えたマンションも少なくない。とりわけ、築年数を経た郊外のマンションの多くは資産価値の下落も進み、維持・管理に関心を持つ入居者の減少によって、管理組合自体が有名無実化しているところもある。
こうした危機的状況にあるマンションへの対策も、行政を含め、緊急に考えていく必要がある。
住宅・不動産不況が伝えられる中で、ストック領域であるマンション管理は、比較的景気の影響を受けないという側面もある。しかし、だからこそ、良好な居住環境の構築、高齢化対応といった、より根源的な問題が管理に直結しているという困難さもはらむ。
それだけに、管理組合、管理会社、マンション管理士などの専門家がそれぞれの立場から、地域コミュニティーの再構築をも志向しながら、知恵を出し合うことが、今求められている。













