国交省不動産部会 『重説』合理化へ 中間とりまとめ案提示
住宅新報 2009年3月10日 号 2面
国土交通省は3月5日、不動産流通市場の活性化に向けた施策について審議している「国交省社会資本整備審議会不動産部会」で、重要事項説明書・案の事前交付やインスペクションの活用などを記した中間とりまとめの素案を提示した。部会は4月に中間取りまとめを、09年内をメドに最終的な取りまとめを行う予定。
素案では、重要事項説明・案の事前交付の制度化を施策の方向性と位置づけた。実態上の問題を踏まえ、今後、更に検討する。
一方、物件の修繕履歴や瑕疵(かし)など売主や所有者にしか分からない事項を売主の協力を得るなどして説明した「告知書」や、第三者が客観的に検査・調査する「インスペクション」について、制度化は困難と判断。今後は、現に業者間が実施しているものの標準化や普及策を検討するという。
重要事項説明・案の事前交付は、購入者が重要事項について、余裕をもって理解し、契約の検討ができる環境を確保することが目的。不動産取引の場面で、購入者の契約締結意向を固めた後に、重説が行われ、その直後に契約締結に至るケースが多いといわれる現状に対応したい考えだ。
交付の時期は、少なくとも重説の1日程度前とする方針。多様な取引形態が存在するため、明確に定めることは難しいとしている。
同時に、事前交付書面について、受け取りや保存の容易化につながるとして、電子メールやCD‐ROMなどにより行う書面電子化も視野に入れている。
また、事前交付により購入者が理解できたと同意した項目については、取引主任者の重要事項説明を省略できるのではないかと指摘する。省略対象となる項目は、取引形態や物件の種類ごとに取引の実態を踏まえつつ、整理する必要があるとしている。
そのほか、取引相手が宅建業者の場合は、同意を得たうえで、書面交付のみで対応できるのではないかと提言している。
告知書・インスペクションの活用については、既存住宅市場の活性化に資するとして挙げた。これらを普及し、情報の非対称性を解消することで、市場活性化につなげたい考えだ。
普及するためには、売主・買主・媒介業者のインセンティブやコスト負担の整理が必要と記載。インセンティブとして、価格査定やローン審査への反映を挙げている。それに向け、今後、業者が使用する査定マニュアルの改善や、金融機関との連携が重要としている。













