宅建免許でできる「実物取引による信託物件仲介法」(3)司法書士・福田龍介
住宅新報 2009年3月3日 号 6面
現場のニーズは様々である。
個人投資家が売却先となることは考えられないような大型の物件ばかりを扱うファンドも存在する。しかし、一般にファンド組成物件の内容は様々であるばかりでなく、現在の金融情勢から個人投資家や一般事業法人・地方の地場投資家を売却先として想定しなければならないケースが増えている。現物化の要請は、もはや避けられない問題だと言ってよい。
筆者の下にも昨年(08年)後半から、相当数のファンド・リート関係者、レンダー、仲介業者等から現物化に関する問い合わせ、要望が寄せられており、今後(年度末に向け)ますます増えてくるものと予想される。
さて、受益権での取引の問題点には2つの側面がある。
まず、買主自身の問題。これはかなり以前から筆者のところにも相談の多かった問題である。例えば、昨年秋ごろ某仲介業者から寄せられた相談に次のようなものがあった。
「個人投資家にファンド組成物件を買ってもらうのだが、当然信託受益権での売買であり、個人投資家が全く信託受益権のことを理解しておらず、不安に思っているので、どうにかうまく説明して欲しい」との相談を受けた。
一般事業法人では、信託受益権の購入では会社の稟議が通らない例もあった。「信託というものの意味を理解してもらうのが先決ではないか」という信託銀行サイドからの反論もあったが、次の2つ目の問題に対応できない。
第2の問題は、情報収集力の問題だ。これは、信託受益権の売買だと第2種金融商品取引業者でなければ仲介できないため、多くの「買い」情報を持っている宅建業者(大半は2種登録していない)からの情報が入らない。つまり、宅建業者が仲介できない(手数料が取れない)ので、顧客を紹介してもらえないという事である。
2種登録をしている大手仲介業者でも、営業所ではなく本社扱いにされてしまい、営業所の成績にならないから営業所サイドが消極的になるとか、ファンド側が「コンサルティングフィー」などの不明朗な名目での費用を支払い、実質的に仲介させるなどの弊害も生じ始めているようである。
これら2つの問題点が相まって、信託受益権現物化の新しい手法に対して熱い視線が注がれ始めているのである。













