「家の近くで烏が鳴くと凶報がある」 松岡英雄 新住まいのことわざ(80)
住宅新報 2011年8月30日 号 16面
夏の甲子園が終わり、土用波が立つころ、賑わった鵠沼海岸も一気に人がいなくなる。いくつもあった海の家が取り壊され、元の静かな浜辺が戻って来る。そんな夏の終わりの海はどこか侘しく物悲しい。
その1。彼は中学1年、私は小学6年。珠算塾で同じクラスだった。明るくひょうきんな人気者だった。珠算より卓球が得意で、塾が終わると、教室で机を並べて下手な私の卓球の相手を嫌がらずにしてくれた。その彼が、明日から2学期という夜、町の外れを走る東海道線の貨物列車に飛び込んだ。
その2。その人は証券会社系列の不動産会社の部長だった。私が大学の後輩ということもあって可愛がってくださった。俳句をたしなんでおられ、学生時代には大橋巨泉と大学対抗俳句大会で競ったものだと話をされたことがあった。どこから見てもカッコイイ紳士だった。その人が、8月の終わり、病気がちな夫人とともに命を絶った。













