紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第114回 坂口有吉
住宅新報 2011年8月23日 号 5面
身勝手なリフォーム業者
「プロの仕事ではない」
私がこの仕事に就いた頃、勤めていた不動産会社が下請けで使っていたリフォーム業者との間で起きた話。
聖蹟桜ヶ丘にあるアパートの退去後のリフォームをお願いし、数日後、完了の報告を受けチェックに行くと、襖が動かない。そのアパートの襖の敷居の溝は敷居すべりが貼ってあるのでなく、白木の木材のままで、長い間にささくれ立ってきて危ないから、と業者の勧めでペンキを塗ることになった。「それより敷居すべりのシートを貼った方がいいのでは」と言う私に業者は「大丈夫ですよ、私は長いことこの仕事をしていて何度もそうしてるから」と言う。ならば、と任せたのだが、襖はビクともしない。やり直し
ペンキが乾かないうちに襖を嵌めてしまったからである。無理に襖を開けようとしたら敷居の溝の塗料がはげてしまった。業者に直ぐ電話して「やり直し」を指示し、「今度は充分乾いてからはめるように」と言っておいたのだが再び同じミスを犯す。プロの仕事ではない。それで今度は強めにクレームを言うと、業者はこう言う。「そんなうるさいこと言うんじゃオタクの仕事はもうやれないな」と。私もそんな業者にはもう頼めないことになる。それから10年経ったある日、業者が私を訪ねてきた。
「今度、こちらの近所に私が建売住宅を建てさせてもらって売り出しています。お客さんがいたら是非紹介してください」と頼む。ハッキリ言って、どの面さげて、である。啖呵を切って向こうから縁を切ったのではなかったか。すっぽかし
別の業者を一から探さなければならなかったし、中途半端に投げ出されて迷惑もしている。そんな業者が建てた家など私の大事なお客様に勧められるハズがないではないか。そして、その後に付き合い始めた業者も酷かった。
気難しく陰険な家主のアパートで引っ越しの立会いの予定が決まっていて、立会いの際にどうしてもリフォーム業者に同席してもらう必要があり、ずっと前から依頼していたのだが、見事にスッぽかされてしまった。その業者も、それで付き合いはなくなったが、数年後「市議に立候補するのでよろしく」と頼みにきた。もちろん投票などできなかった。
(坂口有吉不動産・社長)













