「高齢者住宅推進機構」が発足 初の業界横断組織に 介護・医療とも連携
住宅新報 2011年8月23日 号 1面
高齢者向け住宅の整備を本格化するため、大手ハウスメーカー、デベロッパー、住宅設備関連会社などからなる一般社団法人「高齢者住宅推進機構」が発足した。設立時会員は16社(別掲)。9月10日に最初の理事会を開き、同月26日に第1回総会と設立記念シンポジウムを開く。当面は、(1)サービス付き高齢者向け住宅の普及促進(2)高齢者が安心して住み続けられる住空間の実現(3)包括的ケアサービスなど地域における多様な主体による高齢者支援のための連携方策--などを研究課題とする。9月26日
設立シンポジウム
研究課題の3項目については、それぞれ研究委員会を設置する。いずれのテーマも住宅業界、エネルギー・設備業界、介護事業者、医療法人などの連携、情報交換が必要となるため、機構は今後幅広い企業や法人の参加を募る方針。正社員の年会費は1口20万円。また、議決権はないがセミナーや研究委員会からの求めがあった場合は研究活動にも参加できる「情報会友」も募集する(年会費7万円)。
事務局(高齢者住宅財団内、電話03-6682-3685)では「既に様々な主体から問い合わせがあり、近くホームページが開設すれば更に反響があるのでは」と期待を寄せている。
9月26日の設立記念シンポジウムは住宅金融支援機構本店1階の「すまい・るホール」で開かれ、藻谷浩介氏(日本政策投資銀行参事役で『デフレの正体』著者)による基調講演やパネルディスカッションなどが行われる。関連業界の連携に期待【解説】
団塊世代がすべて75歳以上となる25年には高齢者の1人暮らし世帯は680万世帯に増加し(10年=470万世帯)、高齢者人口に占める割合は20%にも達する。
それに対し現在、高齢者向けの施設や住宅は定員換算で全高齢者の5%程度分しか供給されていない。しかもその大半がプライバシーや生きがいの確保が難しいといわれる施設系だ。高齢者が最期まで、人間としての誇りを感じ、楽しく生きていける住まいをどう供給していくか、今後の大きな課題となっている。
その鍵を握るのが今年度からスタートする「サービス付き高齢者住宅」だ。これは医療や介護との密接な連携が前提となる制度だけに、初の横断的組織を目指す高齢者住宅推進機構に対する期待は大きい。日本は今後、人類史上どの国も経験したことがないスピードで高齢社会に突入していく。世界一の長寿国となった日本が経済成長だけでなく、「豊かに老いる」ことを幸福の尺度とできるか、世界が注目している。(本多信博)※推進機構設立時会員
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