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スタンダード会員限定大手の郊外部進出 マンション市場への影響--

住宅新報 2011年8月16日 号 1面

エンドのメリットは大

 懸念は大手偏重の市場形成

 中堅・中小ディベロッパーが主力としていた郊外部に、大手不動産会社が進出する動きが出始めている。与信と資金力で一歩先を行く大手の参入で、郊外部のマンション市況はどうなるのか。

 マンション業界では通常、「都心部=大手」「郊外部=中堅・中小」という『棲み分け』ができている。高額所得者が中心の大手に対し、買い求めやすい価格で供給する中堅・中小は、郊外部に主力を置く。94年から06年まで続いた『マンション大量供給時代』は、このバランスが見事に均衡していた時代ともいえる。

 しかし、サブプライムローン問題やリーマンショック後、そのバランスは急激に崩れた。郊外部のマンション供給が急減したのだ。マンションコンサルティングのトータルブレインが手掛けた調査によると、「平均専有面積70平米以上、かつ4000万円未満のマンション」という典型的な郊外物件について、04年は首都圏で約3万6000戸供給されていたが、10年には8000戸を切るまで落ち込んだ。

 「景気の低迷があるといっても、底堅い需要があるのが郊外型の物件」と話すのは、トータルブレインの久光龍彦社長。郊外型の場合、住宅ローンの支払いが今住んでいる家賃とさほど変わらないことが多いため、ターゲットは賃貸住宅入居者層全般と裾野が広い。それが、郊外物件が景気の影響を受けにくい理由だ。「ところが、ここ2-3年、エンドユーザーは郊外物件の選択肢が非常に少なかった」(久光社長)。底堅い需要があるのに、郊外部のマンション供給が減った理由はただ1つ。中堅・中小ディベロッパーに対する事業資金が滞ったためだ。銀行からの融資を受けなければ事業化できないのがマンション開発。金融不況は金融機関の融資姿勢にブレーキをかけ、中堅・中小ディベロッパーがターゲットとなった。野村は年間1000戸

 「需要はある、しかし供給が少ない」という現在の郊外部に、大手不動産会社の一角をなす野村不動産が進出する(9面関連記事)。「プラウド」という認知度の高いブランドがありながら、郊外マンション用として新たなブランド「オハナ」を立ち上げた。郊外部に注力していく意気込みの表れだ。既に、東京都東村山市で総戸数141戸の物件の開発に着手している。3年後には、「オハナ」ブランドで年間1000戸供給するという。

 また、昨年のマンション供給量が実質的にトップだった三菱地所レジデンスも、郊外部での供給が増える見込みだ。前身である藤和不動産はそのエリアでの開発を得意とする。用地も複数カ所仕入れ済みだ。横須賀・追浜で総戸数709戸の大規模マンション「ザ・パークハウス追浜」、千葉・津田沼でも721戸のマンションを開発する。割安感のある価格設定に、大手のブランド力。競合会社には大きな脅威になると指摘する専門家は多い。

 久光社長は、与信と資金力がある大手の郊外エリア参入について、「エンドユーザーにとって利点は大きい。しかし、マンション業界全体で見た場合、『大手偏重』の懸念がないわけではない」と話す。更に、「都心の高額マンションの販売が苦戦している中、郊外部を大きなビジネスチャンスととらえる大手の動きは今後も増えるだろう」と予想する。

 郊外部の市場を牽(けん)引してきた中堅・中小ディベロッパーも、黙って見ているわけにはいかない。小回りが効く強みを生かした企画・プラン力で、大手と切磋琢磨するのが理想だ。そのような様々な企業による健全な市場形成のためにも、マンション開発の前提である事業資金を融通する金融機関は、重大な責務を担っていることになる。

 (福島

 康二)

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