企業の命運握るBCPと電力 節電広まり低炭素へ追い風 『3.11あの時から変わる思考と志向』
住宅新報 2011年8月9日 号 20面
大震災以降、電力需要の多い首都圏では原発事故を受けた計画停電が実施され、交通機関が混乱、電力に頼る都市インフラの脆弱さを露呈した。これらの影響を色濃く映し出したのが、企業の事業継続計画(BCP)に対する意識の高まりだ。同時にオフィスビルや商業施設などでは、政府の電力需給計画に沿って電力不足に備えた節電の動きが活発化した。真価が早くも問われることになった今夏、テナントとの相互理解のもと一定の成果を上げつつあることは朗報だ。結果的に、震災以前からビル業界の大きな課題となっていたCO2削減の足取りが早まるという副次的な効果をもたらしたと言える。震災前後のオフィスニーズを調査したレポートを基に、震災後の変化をまとめた。
オフィス需要に急激な変化が見受けられたことを受けて、三幸エステートが6月にまとめた「東日本大震災後のオフィス選択」と題したレポートには、企業のBCP重視の姿勢が鮮明に表れた。震災以前、移転先オフィスに求める基本ニーズとして挙げらていた、(1)立地改善(2)面積適正化(3)設備機器の向上は、常に上位にランクされ、コスト削減と共に主要な移転動機だった。これが震災後になると一変。今まで二次的だった「耐震」性能、「電力」供給、「地盤」安定性の重要度が大幅な上昇を見せたという。
中でも電力の供給不足は、今後も数年単位で継続すると見られていることから、一連のオフィス需要の変化は一過性のものではなく、中長期にわたって市場に影響を及ぼし続けることになるとレポートは指摘している。早期移転の機運高まる













