大震災が変えたものとは 『3.11あの時から変わる思考と志向』
住宅新報 2011年8月9日 号 17面
安全・安心、地域とのつながり大事に
3.11後、日本人の志向・思考は大きく変わり、住宅・不動産市場にも影響を与え始めている。それは、地域とのつながり(絆、コミュニティ)を強めたいという志向と、より一層の「安全・安心」を求める志向である。省エネ・自然エネルギー志向も福島原発事故の影響で一層際立ってきた。電力不足への対応というより、むしろライフスタイルを変える好機ととらえる動きである。重装備な機械仕掛けではなく、自然との共生の中で「少しずつ得られる快適さ」を求める志向である。
いずれも、今に始まったものではない。経済合理性や市場原理を追求し過ぎた挙げ句、大不況に陥ったとき、わずか数年前のリーマンショックの際も、人々の心の奥深くに刻み込まれた心理とも似ている。急成長の反動やバブル崩壊、世界的な大不況や、大震災、原発事故といったものに遭遇して初めて、人間はどう生きるべきか、政治は何をすべきか、経済社会活動はどうあるべきかを、我々は問いかける。まだ、その答えはない。被災地の復旧・復興は緒に就いたばかり。時間はかかっても、その道筋は、いま生きている我々がつけなければならない。













