大言小語 男性客のカバン
住宅新報 2011年7月19日 号 1面
車内も構内も節電中。首都圏の地下鉄は薄暗く、間引き運転で、混み合った電車に乗ることが増えた。「3.11」後、人々は少し寛容に動きつつあるようだが、厳しい社会情勢が続き、気持ちがささくれ立っていることは変わらない。
▼けんかの直接的原因は、通混雑時の車内マナー、迷惑行為に起因することが多い。足を投げ出して座る、無理に新聞・雑誌などを読む、携帯電話・ゲーム機器などを操作すること。先日、通勤電車で小競り合いに遭遇した。険悪な空気が流れたが、周囲の乗客が「2人とも迷惑」と降ろしてしまった。早業だった。
▼社内が混雑する原因の1つは、「男性客がカバンを持ち始めた」こと。10年余り前、ある私鉄役員が解説してくれた。バブル崩壊から数年、乗降客は減少しているのに、混雑はひどくなっていた。調べた答えがそれだった。「網棚はいっぱいになり、置けないと足下に置くため、空間面積が食われてしまう」と。当時、男性は「カバンを持たない」のが格好よさの象徴だった。
▼その頃は、携帯電話の普及期だったが、持ち歩く必要があるものが増えたとは思えない。暗い世相・不安感の裏返しのために、カバンを持ち歩く癖がついてしまったのか。今では男性客の半数以上がカバンを持っているように見える。ショルダーにキャリーに…。体にぶつかるカバンも立派なトラブルの原因となることを忘れないように。













