「心に錠をおろす」 松岡英雄 新住まいのことわざ(76)
住宅新報 2011年7月26日 号 16面
単に『錠をおろす』ともいう。錠を差し固めることから、かたくなになること、他を受け入れなくなることである。いったん、錠をおろした心を開けるのは容易でない。
ひとり住まいの女性が部屋の鍵を男に渡すというのは、愛情表現の一つである。渡された男は天にも昇る思いだろうが、うまい話はそう長くは続かない。多くの場合、鍵を返して欲しいと言われる。そこで、ひと悶着が起こる。愛情が憎悪に変わると事件になってしまう。
今のマンションはオートロック方式が多いけれど、出入りが完全にチェックできるわけではない。いきなり部屋のドアのチャイムが鳴ることもある。オートロックは気休めに過ぎない。毎朝1階のメールボックスまで新聞を取りに行く手間が、気休めの交換条件だとしたら、分が悪いような気がしないでもない。













