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スタンダード会員限定片付けられない人のための20のこと 第18回 最後に持ち出すモノは

住宅新報 2011年7月12日 号 13面

 まず、3月11日に発生した東日本大震災で被災された方々へ、お見舞いを申し上げます。あの日、私は都内で講義をしており、「皆さん、机の下へ」と思わず叫んでしまいました。自宅まで5時間をかけて歩いて帰りました。真っ先に頭に浮かんだのは家族のことですが、冷静に報道を知ると、被災地の友人のことが心配になりました。○いわき市の友人

 田辺裕子さん(61)は3年前、夫の定年に合わせ、故郷の福島県いわき市に帰り、両親と暮していると聞いていました。取得していた資格を生かして、介護センターでボランティアをしています。メールのやり取りで知ったことは、裕子さんは震災当時、介護センターで30数人のお年寄りと一緒でした。幸い津波被害はなかったのですが、福島第一原発事故で避難することになりました。「東京都北区の老人ホームに一時世話になるの」。裕子さんは、12人のお年寄りの付き添いで3人のボランティアと共にやってきましたが、両親の避難を見届けるためにすぐにいわき市に帰りました。「何を持ち出せばいいの?」。リュック一つと制限された身の回り品の整理に、裕子さんとのメールのやり取りで私自身、被災地にいるような臨場感に身震いしました。「通帳、印鑑、免許証…保険証に介護手帳でしょ。それはいつでも持ち出せるように両親のカバンに入っている。でも、ほかに何が必要なのかしら…」

 裕子さんの苛立ちと、あわてぶりが伝わります。「思い出よ」。私は、思わず、叫びました。アルバム、記念品、住所録などすべてリュック一つには収まりません。「一枚だけアルバムから剥がして持っていけば」。両親が選んだ一枚は若かりし頃の両親と幼い裕子さんが一緒に写った遠足の写真だったそうです。もう一つ、「家に必ず帰る」と持ち出したのは自宅の鍵でした。○両親の気持ちの変化

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