第2の人生を豊かに 福田郁雄の不動産投資術(16) 立場で変わる相続対策
住宅新報 2011年6月28日 号 8面
無借金経営ならみんなハッピー親と子で利益相反
相続を念頭において不動産投資を行うことも多いので、相続対策は避けて通れません。
相続の本を読むと混乱します。それは、立場の違いが書かれていないからです。相続対策は立場が変わると見方も変わります。
(1)定借は親からの評判が非常に良いのが特徴。安定した地代が入り、固定資産税課税標準が1/6になり、2-3割の保証金が入ってきて、返すのは50年後。利回りは良くないですが、親に大好評でした。中には「放蕩息子に土地を相続したら、売って散財されては困るので定借をやるんだ」と嘘とも冗談とも取れることをおっしゃる方も。
ところが子供は大反対です。相続してもわずかな地代しか入らず、保証金も返さなくてはいけません。土地が売却できないなど制限も多いです。親子間での利益相反です。ローンの期間が問題
賃貸住宅経営もローンの期間によって親子の立場は変わります。
(2)立派な賃貸住宅を建築し、30年ローンを組むと、支払が少なく手元に沢山のお金が残り使えます。相続を受ける子供は大変、相続を受ける頃には、家賃が下がり、修繕費が増え、更には経費が減って税金が増える、ところがローンはたっぷり残っています。勘弁してくれという感じです。これは、利益の前倒しで、借金の後送りです(まるで現在の日本国です)。
(3)自己資金を半額入れ10年返済としたら、親の手取りは減りますが、子が相続する頃には借金が返済済みで子はハッピーです。
(4)最初から無借金で建築するなら、親にとっても子にとってもハッピーです。家賃収入は親の代の時から丸々収入になりますし、子に相続した時にもその収入が丸々引き継げます(ご存知だと思いますが、借金をすれば相続対策になるというのは間違いです)。
ほとんどの場合『相続対策』という言葉は、業者の誘導トークや建築主の大義名分で使われています。それよりも大切なのは、相続前・後の親子双方の生活を視点に入れた対策です。
(ふくだ・いくお=福田財産コンサル社長)













