紙上ブログ 悪徳不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 第106回 坂口有吉
住宅新報 2011年6月21日 号 5面
続・来店した青年のヤクザ屋さん
腐った肉は元に戻らない
暴力団から足を洗いたいと願っている青年の話、新たな展開があった。というか、非常にガッカリさせられてしまった。青年とはゆっくり話をして、互いに信頼関係を築けたつもりでいたのだが、それが青年の「甘え」に繋がったようだ。甘えというより、私がカモにされそうになったのだが。
青年は私に「全部任せます」と言ったが、当社を出て直ぐ大手不動産会社にも行っていて、部屋はそこで決めたようだ。是非とも当社で紹介したい客ではなかったし、できれば当社の信用問題にならないよう心配していたので、他所で決まってくれる分にはかえってありがたくはあった。バイク事故
で、他で部屋を決めた青年が私に電話してきた。「国立大学に行ってる弟が去年、帰省中にバイクで事故を起こして、明後日までに賠償金500万円払わないと弟は刑務所に入れられちゃうんで、親父も親戚を当たって350万まで用意したけど、150万どうしても足りなくって、貸してもらえませんかねえ?」と頼む。先日会ったばかりの私に、それだけの大金を貸してくれと言うのだ。呆れてしまった。
「去年まで月収が500万超えてたんでしょ?
どうしてその時のために残しておかなかったの?」と聞くと「そこまで考えてなかった」と言う。父親はエリートサラリーマンだから、それくらいの蓄えがないワケがない。私が「無理」と断ると友達にも聞いてみてくれと言う。あと20万円
「冷たいようだけど、弟さんに罪を償わせる意味で刑務所に入ってもらうしかないでしょう」と突き放すと、夜になって再び携帯に「20万は何とかしたんで、あと130万貸して欲しい」と電話が入る。その後も深夜11時半に「どうでしたか?」としつこく電話が入る。
翌朝には「残り20万まで集めたんで20万でいいから」と迫る。もちろん、うまく理由をつけて断った。もっともらしいウソをついて誰彼かまわずカネを出させ、全く返す気などないと判る。
更生しようとしているものと思っていたが、暴力団の気質(やり口)は抜けていなかった。脅すか泣き落とすか、手段の違いだけである。腐った肉はもう二度と生食用の肉には戻らない、ということか。
(坂口有吉不動産・社長)













