大言小語 地域の実情
住宅新報 2011年6月21日 号 1面
地域の実情を分かっていない。大震災からの復旧を目指す被災地で日常的に飛び出す怒りの言葉だという。住民と市町村役場、市町村と県、県と国。それぞれの段階で浴びせ、浴びせられる言葉だという。「実態を見てくれ」との思いは強まるが、現実は、それとかけ離れたものが押しつけられたりもする。
▼岩手県宮古市在住の岩手県中核観光コーディネーター・草野悟さんが6月15日、都内で「大震災現場の声、希望」というテーマで講演した。福島県出身で、家族は仙台に住み、仕事場が岩手県。現場から復興を目指すリーダーの一人だ。三陸鉄道が全国の専門家などを対象に始めた「被災地フロントライン研修」の企画発案者でもある。
▼明確な目的のために、「ルールを決めて、お互いに役立とう」という考えで、「現場を見て歩いて我々にアドバイスをしてもらえれば」と。7月末までに33件のグループの受け入れが決まっているが、断ったケースが幾つもある。活性化に役立つなど独自の判断基準がある。
▼宮古市以北の「岩手県北」の瓦礫撤去率は8割とほぼ大詰めを迎えたが、まだ復興には程遠い。「復旧と地域の人の復活」が大きなテーマという段階。収入を得る道がなく、個人の生活困窮の打開が差し迫った課題だ。三陸の主力産業は水産業。「1日も早く海に出たい」漁業者たちの気持ちと、復旧・復興策。そこに齟齬や隔たりが生まれないようにしたい。













