大言小語 仮設住宅からの発想
住宅新報 2011年6月14日 号 1面
仮設住宅の在り方が問われている。阪神・淡路大震災では合計4万8300戸の仮設住宅が建設されたが、最後の住民が退去するまでの5年間に高齢者の『孤独死』は250人を超えた。東日本でも、同水準の5万戸が建設される見込みだ。岩手県陸前高田市の避難所では、せっかく出来上がった人間関係を壊さないために、みんなが共同で移り住むシェアハウス型の仮設住宅が検討されているという。
▼一方、東京大学高齢社会総合研究機構はコミュニティケア型の仮設住宅を提案している。従来のように東西軸で戸建てを並べるのではなく、あえて南北軸に並べると、日当たりのいい路地を挟んで住戸同士の入り口が向き合う。向こう3軒両隣のコミュニティが生まれる。住戸の間をウッドデッキでつなげば、車椅子での往来も可能だ。近くにデイサービスなどのサポートセンターをつくり、そこまでデッキを伸ばせば、仮設のままでも高齢社会対応型の新しい街並みが完成する。
▼復興構想に大上段の構えはいらない。仮設は仮の住宅という発想を止め、被災者が求める暮らしとは何かを聞き、それをかなえる努力こそ『生きた構想』を生み出す。













