主要不動産流通各社10年度売買実績 大手の伸び目立つ 三井、住友は件数最高更新
住宅新報 2011年5月31日 号 1面
不動産流通大手各社の10年度(11年3月期)の売買仲介実績は不動産市況の回復傾向を受け、大方の企業で増収傾向だったことが、住宅新報社が主要企業に実施したアンケート調査で分かった。特に上位企業の続伸ぶりが目立ち、三井不動産販売ネットワークと住友不動産販売の取引件数は3万件以上と最多記録の更新が続いた。また、手数料収入の伸びも順調で、5番手につける三菱UFJ不動産販売が08年3月期以来の100億円の大台に戻した。08年のリーマンショックで急降下した不動産市況はようやく安定軌道に乗せてきたことを示しているが、3月に発生した東日本大震災の影響が今後、需要者心理に影響してくるか、新たな不透明要因となっている。法人系も持ち直し
リーマンショック後、不動産流通市場は09年初めから価格調整が進む中古マンションなど、根強い個人住宅需要に支えられて、取引件数を伸ばしてきた。取引価格が落ち着きを見せると、件数だけでなく手数料収入も増加傾向に転換する流れの中で今回の決算を迎えた。
10年度を振り返ると、「法人仲介の落ちを個人住宅仲介の大幅増でカバーした」といった声があったほか、件数が伸び悩んだものの収入を伸ばした企業では「都市部の高額物件の動きがよくなった」とか「単価の高い大型案件が増えた」「投資用不動産の動きが良化」など、少しずつ高価格帯に動きの幅が広がっていることを裏付ける内容が多かった。また、従来から法人仲介に強みがある企業でも「法人保有資産の売却や、開発用地取得の動きが寄与した」など、全般的に業績の回復傾向が目立った。上位は「店舗増やす」
不動産流通各社の10年度売買仲介実績は別表(住宅新報本紙に掲載)の通りだが、三菱UFJ不動産販売までの上位5社は、手数料収入、取扱件数とも2ケタ前後の伸びを示したところが大半だ。6番手以下の企業ではまだ店舗削減などを進めているが、上位5社では住友不販を除く4社が店舗を増設しているのも特徴だ。実際、「店舗増が寄与した」としている企業もあり、11年度も大方の企業が店舗展開について「現状維持」としているのに対して、「増やす」方針を打ち出している。
これに続くグループではみずほ信不動産販売、すみしん不動産が手数料収入で80億円台に戻したほか、三菱地所リアルエステートサービス、住友林業ホームサービスも続伸。スターツグループ、近鉄不動産、中央三井信不動産は2ケタ前後以上、法人仲介が主力の東京建物不動産販売は65%の大幅増になった。ただ、取引件数では増減が入り交じり、全体的に安定基調に入ったと言い切れない部分が残る。また、マンション仲介主力組では、いち早く活発化した市場全体の伸び悩み、頭打ち傾向と連動した動きも出ているようだ。過去最高値に近づく
不動産流通各社のこれまでの手数料収入の最高値は06年度から07年度で、三井不販ネットワークは663億円、住友不販は529億円、東急リバブルの場合は383億円だった。まだ、その金額には及ばないが、取引件数そのものは上位2社が最多を更新しているほか、東急リバブルも06年度(1万5248件)と肩を並べる水準に戻している。また、手数料収入100億円以上企業は06、07年度とも8社あったが、今回、野村不動産グループを含めた大手4社に続いて三菱UFJ不販が大台乗せしたことで、こちらも徐々に巻き返しの兆しが出ている。













