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スタンダード会員限定トータルブレインのマンション最前線 (2)川崎エリア 旧価格比で大幅上昇の市場

住宅新報 2011年5月3日 号 7面

 前回は、「東京スカイツリーエリア」を取り上げたトータルブレインのリポート「市場相場激変、旧価格から大幅に上昇した新市場相場エリア」。00年から現在に至るまでを「旧価格時代」「新価格時代」「現価格時代」に分け、通常、旧価格と新価格の中間程度と位置付けられる現価格について、旧価格よりはるかに上の水準で下げ止まったエリア、新価格と同程度もしくは上昇が見られたエリアをリポートしたものだ。今回は「川崎エリア」に焦点を当てる。

 同エリアは、川崎駅東口での開発は以前から進められていたが、西口駅前の開発は近年になってから。95年にインテリジェンスビルであるソリッドスクエアが竣工して以降、再開発が急ピッチで進行。03年にミューザ川崎(オフィス・シンフォニーホール)、06年にはラゾーナ川崎(商業・住宅・オフィス)が竣工した。かつての『工場街』は芸術・文化・商業エリアへと変貌し、一気にエリアイメージが向上。それに伴いマンション供給も活発化し、再開発エリア周辺を中心に大型タワー物件が高単価で登場した。

 旧価格時代(00-04年)は大手ディベロッパーの供給が非常に少なく、中堅・中小ディベロッパーがメーンで展開。平均価格も3000万円前後の「グロス圧縮型ファミリー物件」が中心となっていた。平均坪単価は160万-170万円、駅前立地で180万-190万円程度の相場だったようだ。

 ターニングポイントとなったのは、05年に分譲が始まった「ラゾーナ川崎レジデンス」。大手不動産会社の看板の下、200万円を切る坪単価設定で高い人気を誇り、市場に勢いをつけたマンションだ。それ以後は高値設定での供給が相次ぎ、事業主も大手中心にシフトし4000万-5000万円台の商品が主流となった。旧価格から比べると、新価格は50%以上の上昇率。現価格でも40%半ば以上となっている。

 好調な川崎エリアに引きずられるように、JR南武線など「矢向・尻手エリア」の市場も上昇した。新価格時代よりも現価格の方が平均坪単価は高値。旧価格で150万円程度だった相場が、新価格では180万円に、現在は190万-200万円前後で取引されている。

 平均面積は70平米台後半で旧価格時代からあまり変わっていないため、平均価格も4000万円台と大幅に上昇した。今後も大型物件を中心に、活発な供給が予想されるエリアだ。ただ、マーケットが拡大しているとはいえ、需給バランスに関してはやや懸念材料も見られる。マーケットのボリュームゾーンを大きく上に外した価格設定の商品は危険だとしている。

 この矢向・尻手エリアを含め、川崎エリアは横浜にも品川にもアクセスが良好で、もともと抜群の交通利便性を持っていた。エリアイメージの向上は、地元中心の狭域集客から広域集客へと集客エリアの劇的変化につながったようだ。ただ、拡大したマーケットにより競合エリアも拡大し、「今後の競合エリアも含めたマーケットでの供給材料は非常に多く、需給バランスから見ると価格の更なる上昇は難しいと考えられる」としている。

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